雑感

自治体と戦争法案のかかわり

安倍政権が出した安全保障関連の11の法案について、その本質をぼくも「戦争法案」だと思っているので、以後「戦争法案」と呼んでいく。 国会では華々しく論戦が行われているが、地方議会ではどうだろうか。 4月のいっせい地方選挙では「戦争立法反対」と…

質問の緊張感

志位和夫の党首討論が話題になっているが、元官僚だった松井孝治(慶応大教授、元民主党議員)のフェイスブックの投稿が面白かった。 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1630450053835851&id=100006126152789 興味深かったのは党首討論の内…

政治の勉強はどうやったらいいの? への答え

はてな匿名ダイアリーにあった、この記事。ぼくは「政治」に関する知識が全く無い。どうやって勉強すればいいんだろうか。 この人がどういう動機でこんなことを言っているのかわからんのだが、いっせい地方選前後にこのエントリがあることから察すると、選挙…

「自治会アンチ意識を誘導」「フリーライダー推奨本」という批判

拙著『“町内会”は義務ですか?』(小学館新書)が増刷(3刷)となった。書店のみなさんやお読みいただいた方々に、深く感謝する次第である。 ところで、ブログのコメント欄に次のような投稿があった。興味深いのでそのまま転載しておく。 入居して1年足らず…

人質事件で思ったこと

つまり私は、「死刑の全廃」を法制上の理想としてきた男子であって、そのような思想を抱懐してきた人間であった。私は、死刑およびその廃止に関する幾つかの法学論文または文学作品を読んだが、ドストエフスキー作『白痴』におけるムイシュキン公爵の死刑廃…

読者からの質問

拙著『“町内会”は義務ですか?』をお読みいただいた読者の方から、同書に掲載されている、ぼくが会長をつとめていた自治会の会計報告をみて「この中にはなぜ電気代がないのか?」という質問をいただきました。 まさに、それはぼくの本のテーマの一つなんです…

読み込み能力欠如もほどほどに

世界に恥を晒した「憲法9条ノーベル平和賞」申請 戦争放棄をうたった憲法は99カ国に存在、知識欠如もほどほどに:JBpress(日本ビジネスプレス) この記事の言いがかりはちょっと度を超えている。 この記事を書いた織田邦男は、日本国憲法第9条をめぐってノー…

地域デビューがうまくいっていない件

「地域デビュー」を知っているだろうか。 ぼくがインタビューに答えた週刊ポストの記事は「地域デビュー」の話で始まっている。 「地域デビュー」とは職業とは別に、リタイアなどをきっかけにして地域で行われている活動に初めて参加することである。 団塊世…

中間団体が行政の下請になる瞬間

町内会の地域の連合体を中間団体と仮に呼ぶとして、田中秀臣さんが書評の中でぼくの本『“町内会”は義務ですか?』について注目を払ってくれたこの中間団体の問題を、前回に引き続き書いていく。 政府は、介護度がそれほど「重くない」とされている「要支援」…

中間団体はコミュニティの基礎単位なのか?

田中秀臣さんがブログで拙著『“町内会”は義務なのか?』を紹介している。紙屋高雪『“町内会”は義務ですか?〜コミュニティと自由の実践〜』 この中で注目してくれている中間団体の問題について少しふれておきたい。非常に重要な点に注目していただいた。 町…

10歳までは交通教育が無理だという意見

この記事だけど、危ないよ!死んじゃうよ!って2歳児にどうやって伝えたらいいのか。 - yuki's blog... 交通事故、家庭内事故、その他でいろいろ違うと思うんだ。 交通事故におけるルール遵守というのは、1万回のうち1回は守れないなら事故には遭わないけ…

「軍師官兵衛」、今日は「城井谷の悲劇」だぜ!

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の本日(2014年9月14日)放映分は、なんと「城井谷の悲劇」である。 ぼくは以前のエントリで、“どうせNHKはこの官兵衛の黒歴史は描けまい。ハハハハ”と侮りまくっていた。 屋代尚宣『黒田官兵衛と宇都宮鎮房』 - 紙屋研究所 …

議事録に残るヤジのこと

都議会のヤジが問題になっている。 東京にいたころ、国会や都議会を傍聴した。国会のヤジは有名であるが、都議会のヤジもかなりひどかった。自民・公明がひどいという印象があって、共産が質問しているときは、聞き取れないこともしばしばあった。 ところが…

偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ

前回「偶数と偶数の和は偶数である」にちなんだ問題を、うまく教えられないという記事を書いたところ、ブログのコメント欄、ブックマークコメント、ツイッター、トラックバック、転載ブログ(ブロゴスなど)のコメント欄でたくさんの反響をいただいた。偶数…

偶数と偶数の和は偶数であることの説明

ああ、だれか教えてほしい。コメント欄かツイッターで返信を。 いまぼくは、無料塾で中学2年の数学を教えている。 無料塾というのは、カネをとらずに小中高の生徒が集まり(うちは小中しかいないが)、講師もボランティアで教えるというもの。教育を貧困克…

学校へ行きたくないという娘の理由

大西巨人『神聖喜劇』の小説版につきあっている。 時間はかかるが、正面からやってみたい。 現在文庫版の3巻に入った。 さて、4月に小学校に入学した娘のこと。 昨日まで、学校での給食の様子や字の書き順の話などを楽しげに報告してきたので昨夜娘が寝静…

生活保護の不正受給と相続税の非違件数

福岡市が5月くらいから「生活保護ホットライン」っていうのをはじめるそうだが、「市民からの保護を要する人に関する情報」っていうのはいいんだけど、「生活保護に関する不正行為等の情報」「その他の生活保護の情報(アルコールやギャンブルなどによる生…

行政職員は行政への請願を知らない

娘が保育園を卒園し、そこの保育園の存続が問題となっていることは前回のエントリで書いた。文書にして出すということ - 紙屋研究所 今回はもう一点、そこに関連して雑感で思ったことを。 結論から書いておくと、行政に要望を文書で出す、一番簡単で一番普遍…

文書にして出すということ

娘が保育園を卒園した。 0歳児から6年間預けた。子どもは一人しかいないので、おそらくこれで保育園とはおさらばだろう。 保護者会の会長を最後の1年間つとめた。 園の存続が大問題になり、ぼくとしてはこれに明け暮れた1年だった。いったい保育園が消え…

山田ズーニー『働くためのコミュニケーション力』

理想的な風景としての「擦り合わせ」 保育園のパパ友は、よく転職している。 仕事が長続きしないというのではなく、ヘッドハンティングに近い状態で「辣腕営業」としてときどき会社を移っているのである。 そのとき、転職先と労働条件をかなりすりあわせてい…

思い出の本

ふとした折りに浮かぶ、思い出の中の本の名前…… 小林栄三『コワレンコ「日本共産党(概史)」批判 歴史的な事実の抹殺と歪曲』。 いやー。これだね。 まず「コワレンコ」。 イワン・コワレンコ。 イワン・イワノビッチ・コワレンコ。 ソ連共産党国際部日本課…

人工知能学会の表紙のこと(補足)

人工知能学会の表紙について、少しだけ補足します。 基本的には前のエントリーで書いていますので、この問題については新しい論点というほどのものはありません。 また、コメント欄で議論になっていることについては、コメント欄で書いています。 なので、以…

人工知能学会誌の表紙のこと

くだんの人工知能学会誌の表紙の件。人工知能学会の表紙は女性蔑視? - Togetterまとめ ぼくのスタンスは、基本的にツイートで書いたとおり。 激萌えする。だが女性差別という批判もわかる。ぼくにも性意識の歪みってあるもん。どんな表現(とその支持)も大…

自分の商品価値を落とさないためだろ

ちきりんが「ネットでは議論しない」と言っているんだけど、 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120813その理由は“議論して結論を一つに決めるのは多様性の否定だから”ということだそうで…。 単純に、ちきりんが議論しない=本体サイトのコメント欄を非表示…

映画「風立ちぬ」を批判する

宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、…

麻生発言はナチ肯定なのか?

また雑感。雑感ばっかりですいません。 麻生太郎のいわゆる「ナチス」発言についての、見事な分析。麻生太郎のナチス発言を国語の受験問題的に分析してみる: ナベテル業務日誌 リンクを読むのが面倒なお前らに簡単にまとめを書いといてやる。 「冷静に、静か…

義務や強制のない、自治会費ゼロの自治会をつくったよ

※このエントリをきっかけにして、本を出しました。 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784098252077 http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20140921/1411290361 ごみ収集のサービス(の一部)を受けるには、自治会に加入しないといけないと…

共産党は癌なのか

参院選の結果を受けての、東浩紀のこの発言。 共産党は日本の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対に為政者にはならないという安心感のもとに、為政者への不満だけを吸い上げる党という存在がある、その事実が日本の政治をひどく損ねている。共産…

選挙における気になる思考方法

参院選も最終盤だけど、「●●という仕事がすばらしかったから」という1つや2つの理由で、候補者Xを推している人がときどきいる。最近とみに増えてるな。 そいつをAとしよう。 もちろん、それは自由だよ。どういう理由でAが候補者Xを推すのかは自由だよ。 …

これが本当の連呼だ

選挙の季節である。 「連呼」する候補への批判は相変わらずだ。 しかし、お前らに聞きたい。 お前らは、「名前だけをくり返して叫ぶ行為」がダメだと言っているのか、それとも「名前でも政策でも短くくり返す行為」がダメだと言っているのか、それとも「拡声…