自公政権の高支持率は野党が連立政権としての協議に入らないからではないか

安倍前首相の考えるレガシーは経済 20日付の読売に安倍前首相のインタビューが載った。 www.yomiuri.co.jp そこで彼は自分の政権のレガシーはなんだと思うか聞かれ、こう述べている。 後世に「安倍政権の時は良かった」と生活実感として言ってもらえれば、一…

『君は放課後インソムニア』と『花野井くんと恋の病』

※ネタバレがあります。 『君は放課後インソムニア』 オジロマコト『君は放課後インソムニア』は、不眠症(インソムニア)の男子高校生・中見丸太(なかみ・がんた)が、今は誰も使っていない学校の天体観測ドームで、やはり不眠症で同じクラスの女子高生・曲…

「自助・共助・公助」論について2つ言いたい

菅義偉の「自助・共助・公助」論が議論になっている。 www.huffingtonpost.jp agora-web.jp これらの記事にあるように、「自助・共助・公助」論は菅個人の主張ではない。自民党政治の根幹に座る太い考え方である。つまり菅個人の「思いつき」ではなく、イデ…

「安倍政治」は終わったのか・続くのか

安倍首相が病気を理由に辞意を表明して、安倍政権は退陣することになった。 いくつかの安倍政権論、安倍首相論が出ているけども、肝心なことは、安倍政権がやっていた政治、すなわち「安倍政治」は終わったのか・続くのか、まだ全然判断できないということだ…

渡辺ペコ『1122』を議論して夫婦で対立した日

リモート読書会は渡辺ペコ『1122』だった。(以下、一部ネタバレがあります) kamiyakenkyujo.hatenablog.com kamiyakenkyujo.hatenablog.com つれあいも参加している少人数での読書会なので、そこでこの「公認不倫」マンガを取り上げるというのはまこと…

文学は国語にとってどう役立つのか

議論になっているこれだが。 ozean-schloss.hatenadiary.org 本論の前に一つ。 そもそもこのブログが批判している元記事「『本が読めない人』を育てる日本、2022年度から始まる衝撃の国語教育」は一体誰が書いた記事なのか? diamond.jp 署名が「榎本博明」…

「社会を明るくする運動」の宿題作文のこと

中1の娘の短い夏休みの宿題の一つが「社会を明るくする運動」作文である。学校が配布した課題一覧表には「1年生は全員取り組むこと。2・3年生は自由」とされている。選択課題でなく必須なのである。 「社会を明るくする運動」の概要がプリントに書いてあ…

坂田聡『苗字と名前の歴史』

2006年に出ていた本であるが、最近福岡市の博物館の1階にある小さな書店に立ち寄った際に立ち読みし、面白そうなので購入した。 苗字と名前の歴史 (歴史文化ライブラリー) 作者:坂田 聡 発売日: 2006/03/01 メディア: 単行本 ぼくの問題意識は「氏と苗字は…

俺もヒョンビンになれる 「愛の不時着」考

熱心な同僚に勧められて「愛の不時着」を観る。 韓国の財閥の令嬢であり、有能な会社経営者である女性ユン・セリがパラグライダーの事故で北朝鮮領内に不時着してしまい、北朝鮮の将校であり実は政府高官の息子である大尉リ・ジョンヒョクと恋に陥るという物…

「しんぶん赤旗」日曜版で「未来少年コナン」について書きました

「しんぶん赤旗」日曜版(8月9・16日合併号)で「未来少年コナン」デジタルリマスター版について1000字ほどで書いています。 1000字、というのは一定分量を与えられていることになりますが、このアニメについて、あるいは宮崎駿について新しいことを述べつつ…

「ペストで農業労働者の賃金が高騰した」っていうけど農奴なの? 労働者なの?

「パンデミックは世界を変えるきっかけになる」という命題があって、ペストが中世を大きく変えた話は、いろんな人がしているよね。 ペストがヨーロッパ社会に与えた影響は、少なくとも三つあった。第一に、労働力の急激な減少が賃金の上昇をもたらした。農民…

山本太郎『感染症と文明 共生への道』

新型コロナウイルスが広がって被害を及ぼしているから、こんなウイルス滅ぼしてしまえばええやん、と思う。ほら、天然痘とかポリオみたいにさ。 しかし、そうでもないらしい。 あるウイルスが消えた後のポジション(生態学的地位)を埋めるように、新たなウ…

レベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』

Zoom読書会でレベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』を読んだ。 説教したがる男たち 作者:レベッカ・ソルニット,ハーン小路恭子 発売日: 2018/11/15 メディア: Kindle版 女性を何も知らない無知な存在と見下して説教したがる男性仕草を「マンスプレイニ…

渡辺ペコ『1122』7

渡辺ペコ『1122』が終わった。 1122(7) (モーニングコミックス) 作者:渡辺ペコ 発売日: 2020/07/20 メディア: Kindle版 続きを心待ちにしていた作品の一つであった。 本作は、子どもを持たず、セックスレスになった夫婦を描いている。夫は妻公認の不…

鍋倉夫『リボーンの棋士』

『リボーンの棋士』は奨励会の年齢期限に間に合わず退会になった主人公が再びプロを目指す物語である。 リボーンの棋士(1) (ビッグコミックス) 作者:鍋倉夫 発売日: 2018/10/05 メディア: Kindle版 「九州漫画読み会ONLINE」で取り上げられた作品だったけ…

「ラディカルであるとは、ものごとを根本からつかむことである」(マルクス)について

ある左翼組織の会議に出ていたら、報告者がマルクスの有名な章句を引用していた。報告が文書になっており、引用は次の通り。 物質的な力は物質的な力によってたおされなければならない。しかし理論もそれが大衆をつかむやいなや物質的な力となる。理論が大衆…

ふせでぃ『明日、世界が滅びるかもなので、本日は帰りません。』

(以下、ネタバレがあります) 明日、世界が滅びるかもなので、本日は帰りません。 (文春e-book) 作者:ふせでぃ 発売日: 2020/07/08 メディア: Kindle版 派遣で働く28歳のアキの物語。 彼女は自分なりの幸せをつかめないまま、労働においては派遣、生活にお…

宮部サチ『友達100人切れるかな』1

ぼくはこれまでの人生の中で絶交した「友人」が2人ほどいる。 そのうちの1人は会うたびにぼくを激しくいらだたせたり、挑発するようなことを言ってくる人で、会った後あまりに悔しくて独りで号泣したこともある。 つれあいにそのことを話したら、せんべい…

「首都圏青年ユニオンニュースレター」230号を読む

「首都圏青年ユニオンニュースレター」230号(2020年6月28日付)を読む。 すべてのページが勉強になった。 特集「コロナを生き抜く ユニオンの闘い」 7ページまでがコロナ禍における争議当事者のインタビュー。特集「コロナを生き抜く ユニオンの闘い」であ…

宮本常一『忘れられた日本人』

宮本常一『忘れられた日本人』をZoom読書会でやるというので関連本を読む。 忘れられた日本人 (岩波文庫) 作者:宮本 常一 発売日: 2017/04/20 メディア: Kindle版 素人として、この本をどう扱ったらいいのかが少し戸惑ってしまう。 解説の網野善彦の読み方は…

学校再開で親はどうすべきか 横湯園子インタビューを読む

「しんぶん赤旗」日曜版(2020年6月28日号)に、臨床心理士の横湯園子・中央大学元教授のインタビューが載っていた(「学校再開で子どもは 保護者はどうする」)。 コロナでの長い休みを経て不安定な娘(中1)の現状とぼくら親の対応をまさに言い当てている…

町内会と行政の関係はどうあるべきか

先日福岡県・福津市で、住民のみなさんが主催する町内会についての勉強会に呼ばれ、チューターとして問題提起を行いました。その問題提起は次のようなものでした。2.と3.がメインです。 1. 町内会はどうあるべきか 加入率の低下と担い手不足。原因はどちらも…

「星灯」8号に「『健全なセックスワーク』はあり得るのか」を寄稿しました

同人文芸誌「星灯」8号(2020.6)に「『健全なセックスワーク』はあり得るのか」を寄稿しました。 章タイトルは以下の通りです。 性風俗業者を救うべきか? 問題の整理パターン 中小企業の「搾取」にたとえてみる 搾取・性的搾取は犯罪か 『蟹工船』と明る…

『文学女子に食べられる』の感想・続き

(性的な話題が以下書かれています) 『文学女子に食べられる』についてもう少し書いておきたい。 ↓の記事の続きである。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 後輩(女性)が先輩(男性)を誘い、後輩の部屋でベッドに並んで座り語り合う構図、「お耳…… 舐めます…

「学校に行きたくない」から考える

中学校に入った娘が「学校に行きたくない」と行って泣いて休んだ、というぼくのツイートが(ぼくにしては)バズっていた。 今朝も娘が中学校に行きたくないと言いだし、大泣きしていた。夫婦でいろいろ娘と話をしたけど、結局今日は休むことにした。理由のよ…

サークルひまわりのたね『文学少女に食べられる』

(性的な話題が書いてある記事です) サークルひまわりのたね『文学少女に食べられる』『文学少女に食べられる2』を読む。 文学サークルに属する男女二人はどちらも大人しく、サークル部屋で本を読んでいるだけなのだが、2人で飲みに行くことになり、耳を…

戦争とコロナは同じか。「新しい生活様式」は吐き気がするか。

大塚英志のこの記事を読んで思ったこと。 www.webchikuma.jp 戦争とコロナは同じか 第一に、戦争と感染症(ペストとかコロナ)は同じだろうかという問題。 大塚が「同じ」と言っているかどうかは後で触れる。 まずぼくはマルキストであるから、人間が起こし…

カミュ『ペスト』

Zoom読書会をやっている。 このコロナの状況下なのでせっかくだから『ペスト』を読もうということで読んだ。 ペスト (新潮文庫) 作者:カミュ 発売日: 1969/10/30 メディア: ペーパーバック 記憶について いろいろ思うことはあるんだけど、とりあえず、この箇…

コロナ禍の下での届くプリントが嫌いでクリスタが好きな娘

新型コロナの感染拡大による学校の臨時休校はまもなく終わる。 中学に入ったのだが一度も学校に行っていない娘は、1日1回「散歩」または「サイクリング」をする以外、ずっと家にいて、ずっとPCの前にいた。ラインと、クリスタ*1と、にじさんじと、ツイッタ…

「コナン」と70年代的な教育・文化運動の子ども観

「未来少年コナン」の第3回目を見る。 未来少年コナン Blu-rayボックス 発売日: 2013/07/26 メディア: Blu-ray コナンがジムシーと出会う回で、「はじめての仲間」というタイトルが付いている。 自然の中にいる子ども。自然と触れ合う子ども。 見知らぬ相手…