すでに明らかなことを本に書く気はない

拙著が家に届きました。 今日あたりから書店に並ぶと思います。「不要不急の外出自粛」が呼びかけられている地域も多い中であり、まあ「必要であり急ぎである買い物」と位置付けてもらって……とは申しませんが、何かの折にぜひお読みください。あまり初刷りは…

本を出します 『不快な表現をやめさせたい!?』

本を出します。 『不快な表現をやめさせたい!? こわれゆく「思想の自由市場」』というタイトルで、かもがわ出版から上梓します。2020年3月24日に出来予定です。 不快な表現をやめさせたい!?: こわれゆく「思想の自由市場」 作者:紙屋 高雪 発売日: 2020/04/0…

いつまちゃん『来世ではちゃんとします』

小さな映像プロダクションで働く、性をこじらせた4人の物語である。それぞれは職場では恋愛関係にならずに、それぞれのプライベートでの性関係が4コマで描かれる。 最近愛蔵版が出たので、今さらながら読んだ。 来世ではちゃんとします 1 (ヤングジャンプコ…

松田奈緒子『重版出来!』14

マンガ編集、マンガの執筆、そしてマンガに関わる人の物語となっている、松田奈緒子『重版出来!』の14巻で注目したのは、書店をクビになった書店員・河舞子がまわりの協力を得ながら「ひとり書店」を立ち上げる話だ。 重版出来!(14) (ビッグコミック…

「学校の設置者」とは誰なのか(パート1)

すでに新型コロナウイルスの感染拡大予防のための学校一斉臨時休業が始まっているので、これを明らかにしてももう遅いんだけど、メモのようなつもりで残しておく。また、まだ考察の途中だし。 新型コロナウイルスによる学校の一斉臨時休業は学校保健安全法の…

「パラサイト」と「万引き家族」

アカデミー賞を獲ったという映画「パラサイト 半地下の家族」をつれあいと見てきた。半地下に暮らす貧しい家族が、富裕層の家に寄生をし始めるという筋だ。 www.parasite-mv.jp 見るいやいなや、ぼくとしては映画「万引き家族」との比較がどうしてもしたくな…

週刊ポスト3月6日号で町内会の辞め方についてコメント

週刊ポスト3月6日号「家族、友人、社会との『縁』の切り方」の「PART3『町内会』『檀家』『社友会』憂鬱だったら辞められる」で町内会の辞め方についてコメントした。 週刊ポスト 2020年 2月28日・3月6日号 [雑誌] 作者: 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2…

「麒麟がくる」を見て『戦国の軍隊』を読む

別に「麒麟がくる」をこれからずっと見ようと決めているわけでも、決めたわけでもないし、貶めようとか、逆に持ち上げようとか、なんの意図も持っていない。 この前の日曜日にぼさっとテレビの前にいたら、「麒麟がくる」の第2回が始まって合戦シーンが流れ…

藤緒あい『先生、あたし誰にも言いません』

表紙とタイトルを見て買う。当然エロいことを期待するわけである。 先生、あたし誰にも言いません【電子単行本】 1 (プリンセス・コミックス) 作者:藤緒あい 発売日: 2019/01/16 メディア: Kindle版 そして1巻。女子高生が青年男性教師にセックスしてほし…

『めざそう! ホワイト企業 経営者のための労務管理改善マニュアル』

「今の日本では労働者は解雇できない」という意見に対して「きちんと手続きを踏めば労働者は解雇できる」と答えたら、あたかも解雇指南をしているかのようである。 いや実際「解雇テクニック」としてそういう「手続き」を教える場合もある。 www.jcp.or.jp …

『もし部下が発達障害だったら』『綿谷さんの友だち』

佐藤恵美『もし部下が発達障害だったら』(ディスカヴァー携書)の冒頭に、いかにも上司がいいそうなセリフが掲げてある。 「おまえ、なぜ何度言っても同じミスを繰り返してばかりなんだ? 発達障害なんじゃないか? 病院に行って調べてもらってこい」(佐藤…

「風呂なし3万円」は「最高の育て方」か

この記事、はてなブックマークでは評判が悪いな。肯定的にコメントしている人も少なくないけど。 president.jp 要は、“特段の援助もせずに実家から放り出してみろ”というススメであり、そうすれば自活能力がつくし、条件を改善していく体験を得られるし、大…

堀和恵『「この世界の片隅」を生きる〜広島の女たち〜』

被爆や戦争の体験をどう語るのか、あるいはどう継承するのか、ということで広島をめぐる5人の女性が紹介されている。 『この世界の片隅』を生きる ~広島の女たち~ 作者:堀 和恵 出版社/メーカー: 郁朋社 発売日: 2019/07/24 メディア: 単行本 山代巴、大田…

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を観て

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を観た。 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』予告編 広島から呉に嫁に行き、呉の空襲に遭った女性・北條すずの生活を描いた映画「この世界の片隅に」の、いわば新版である。 まずは「長尺版」ととらえていい…

高松美咲『スキップとローファー』

ぼくは地元の自治体の高校には行かず、電車で片道1時間半もかけるような、となりの大きな市の進学校に行ったので、自分と同じ中学から来ている生徒は同学年に1人もいなかった。 そこで生まれて初めて「誰も知り合いがいない」という状態を体験した。 生まれ…

『このマンガがすごい! 2020』に「オンナ編」のアンケート選者として参加

『このマンガがすごい! 2020』(宝島社)に「オンナ編」のアンケート選者として参加しています。 ebookjapan.yahoo.co.jp konomanga.jp ぼくとしては、自分の選んだものがオンナ編の3位にランクインしたのと、特別に選んだオトコ編の作品が、7位で入って…

ケン・ローチ監督「家族を想うとき」(映画)

何の救いもない映画 エンドロールが出てきたとき、「あっ、ここで終わるのかよ…」という絶望感を隠せなかった。 ケン・ローチ監督の映画「家族を想うとき」は、すばらしく何の救いもない映画である。 longride.jp 個人事業主という形で配達の仕事を請け負う…

ハルノ晴『あなたがしてくれなくても』

『あなたがしてくれなくても』はセックスレスを扱う作品だ。 あなたがしてくれなくても : 1 (アクションコミックス) 作者:ハルノ晴 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2018/03/28 メディア: Kindle版 ぼくがこういう作品になぜか読む前から望んでしまう・期…

子育てにおける人生最後の瞬間

小学6年生の女の子が誘拐され、命に別状なく戻ってきたときに母親が彼女を抱きしめたというニュースを聞く。 府警によると、母親は女児を抱きしめて号泣していたという。 https://www.asahi.com/articles/ASMCS36B7MCSPTIL001.html 小6の娘を持つ身として…

倉本一宏『戦争の日本古代史』

知り合いの研究者が10年前に韓国で学会(理系)に参加したときと、今回参加したときではその水準がまるで違っていて、「ああ、日本は今抜かれつつあるというか、抜かれたんだなと思った」と話していたのを印象深く聞いた。 韓国のことに詳しい同僚が「前衛」…

『女ともだち』と『82年生まれ、キム・ジヨン』

共産党が主催するジェンダー問題の学習会に参加した。講師は共産党中央委員会 政策委員会事務局次長・坂井希である。 www.jcp-kyoto.jp (上記の京都の講演会ではないが、各地で行われている同趣旨の講演に参加した) 会場では「年配者の多い党支部では、ど…

松竹伸幸『日韓が和解する日』

本書にある、 日本は法的に立派に責任を果たした。韓国との間で日韓基本条約と請求権協定を結び、これまで忠実にそれを守ってきたというのは、法的責任を果たしたということである。「法的に解決済み」という日本政府の言い分にはいささかの間違いもない。(…

『国語 六 創造』『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』

前回、小6の娘の国語の教科書の話を記事にしたんだが、続きである。 高畑勲「『鳥獣戯画』を読む」の後には、「この絵、私はこう見る」という節がある。今娘はここをやっている。 「『鳥獣戯画』を読む」では、筆者は、さまざまな表現を用いて、私たちに『…

こうの史代『ギガタウン』

娘の保育園時代のクラスで毎年集まりを持っているのだが、小学校を卒業する今年で終わりとなる。 そこで記念として、カップに絵を描こうということになった。 最近は専用のマーカーがあって、電子レンジで温めるだけで絵が固定してしまう便利なものがある。 …

ぼくのかんがえたさいきょうのてんのうせい

日本国憲法第1条は 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。 っていう具合に「日本国民の総意に基く」わけだから、天皇という制度自体はそもそも基本的人権や平和主義のように「永遠に」動…

『宇崎ちゃんは遊びたい!』献血ポスター問題を考える

『宇崎ちゃんは遊びたい!』を使った献血ポスターとそれをめぐっての太田啓子弁護士のコメント・行動が炎上しているな。 togetter.com 太田は詳しくは述べていないようだが、要するに宇崎ちゃんの「巨乳」強調のイラストが「無神経」であり「公共の場での環…

「不自由展」には入れなかったけど「あいちトリエンナーレ」は観てきた

あいちトリエンナーレに行った。むろん再開された「表現の不自由展、その後」に行くつもりだったのだが、3回抽選に挑戦し、結局当選できなかった。 抽選を待っている間、愛知芸術文化センター内にある、「表現の不自由展、その後」以外の展示を見て回った。…

『韓国の小学校歴史教科書』を読了してぼんやり思うこと

また、前の記事の続き。 きょうは、『韓国の小学校歴史教科書』(明石書店)を読み終わった。 韓国の小学校歴史教科書 (世界の教科書シリーズ) 作者: 三橋広夫 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2007/10/02 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含む…

『まんが朝鮮の歴史』を読み終えて

前の記事の続き。『まんが朝鮮の歴史』を読み終える。 巻末に「全16巻」とあるので、これで終わりのはずだけど、16巻のタイトルが「日本の軍国主義体制と独立の準備」なんだよね。 だけど、常識的に考えて、それで終わる? だいたい、16巻の裏表紙、こんなだ…

澄川嘉彦・五十嵐大介『馬と生きる』/「たくさんのふしぎ」2019年11月号

つれあいの母、すなわち義母が契約をして、現在小6の娘に「月刊たくさんのふしぎ」を毎月送ってくる。小学1年生くらいまでは「こどものとも」だった。 これらは福音館書店が毎月発行している雑誌で、「こどものとも」はいわば定期絵本であり、「たくさんの…