2008-01-01から1年間の記事一覧

東村アキコ『ママはテンパリスト』 ――佐田静『いっとけ! 育児』にもふれて

東村「仕事の方が子育てより1000倍楽」 最近、明らかにこのサイトの更新頻度が落ちている。 仕事の内容が変わったこともあるが、それはどちらかというとささいなことで、子育てにエネルギーを吸い取られるからである。 保育園に子どもを迎えにいくのはもっぱ…

杉本亜未『ファンタジウム』

「主人公に弱点をもたせると個性が出る」というキャラクター作りのイロハがある。才能を輝かせる主人公を描くとき、その秀才・天才ぶりを描くだけでは平板になってしまうので、弱点を何か加味することで途端に愛らしい、共感がもてる存在になる、というわけ…

松田道雄『定本 育児の百科』

育休が今月いっぱいでおわります 電車に乗っていたら初々しい高校生カップルが! その初々しさがたまらんなーと思って見ていたのだが、後でつれあいに話すと、「そんなふうに見てたら、絶対にあやしいと思われたんじゃないの?」。 ふふふ、さにあらず。 な…

山本直樹『レッド』1巻

『ビリーバーズ』で果たせなかったもの 最初にちょっとおさらい。 【合本版】ビリーバーズ (ビッグコミックス) 作者:山本直樹 小学館 Amazon すでに山本の『ビリーバーズ』についての感想のところで書いたとおり、山本はオウム事件に際して、「一連のオウム…

山本直樹『ビリーバーズ』

『ビリーバーズ』はオウム事件を描いたものか 新興宗教っぽい団体に入っている男2人、女1人の計3人が孤島で独特の修行をする顛末を描いた物語である。 評論家の呉智英は山本直樹『レッド』の書評で「テーマは連合赤軍事件である。既に七年前の『ビリーバ…