2012-01-01から1年間の記事一覧
類型的な戦争観への疑問が出発点 『戦争と一人の女』は、第二次世界大戦の最末期、空襲にさいなまれる街の一軒家で、かつて水商売をしていて妾や女郎の経験もある「淫奔」な女と、それと同居する野村という男が生活をする話である。 坂口安吾の3つの小説を…
いつ見てもこの画像はかっこいいな というまとめサイト記事の冒頭画像 http://livedoor.3.blogimg.jp/amosaic/imgs/8/f/8f0b691e.jpg 女子高生が横一線になって歩いているやつ。 まぎれもなく「Gメン75歩き」である。 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image…
また原発の話で恐縮である。 前の二つのエントリのつづき。 ぼくの記事に対するネット上やここのコメ欄での反応は様々だけど、自動車事故の比喩や他の「大事故」との比較については、下記エントリを読んでほしい。 原発と自動車 - 紙屋研究所 加藤尚武『災害…
前のエントリで、原発の再稼働に賛成する人は、もし今後安全基準が厳しくなって「動かしたらダメ」となったらどう思うのか、という問いをしてみたわけだが、思った以上に「経済を優先しろ」とか「対策をとれば事故はおきない」とか「余裕取りすぎた法令つく…
安全基準が厳しくなって、それで原発が止まったら仕方ないと思うの? 福島で原発事故が起きたので、安全規制が厳しくなることが予想されるよね。 その厳しくなった規制で、いまある原発がハネられたら、「経済のために原発を再稼働させるべきだ」という人は…
キャリアポルノは人生の無駄だ - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 面白く読んだよ。名文。 それはともかく、書いてある内容はどうなんだ。 キャリアポルノとして読めば、まあそういうことだろ。でもそんなに、「何かオレもすごい勝間和代に…
ものすごく高い能力を持ち、しかし*1、「ブス」であるという家政婦・小田切里が主人公である。里が依頼を受けた家々で起きる出来事ごとを描いた短編集になっている。『放浪の家政婦さん』がシリーズの最初で、『ピリ辛の家政婦さん』『誰そ彼の家政婦さん』…
原発事故に備えて防災計画を自治体につくらせるべく、原子力規制委員会が防災指針をしめした。福島原発級の事故が起きたとして、30キロ前後がヤバい、と。んで、平均的な風とかそういうものでのシミュレーションを出して、それでうちの町が入ったとか入っ…
出版の関係者からご恵投いただいた。 それでなかなか直截なメールだったので紹介しておくと、もらったメールは「レビューを書いてくれませんか」というものだった。 こういうブログをやっていると、出版社などから本をいただくことはけっこうある。でも、レ…
娘といっしょに家に帰ると、つれあいがコタツにすわって、パソコンのモニターを眺めながら涙を流している。 びっくりした。 あの、つれあいが、ですよ。眉一つ動かさずにイノシシを屠るかもしれない、と噂されたうちのつれあいがですよ。滂沱と涙を流してい…
もう10年くらい前になるけど、東京にいたころよく勉強会をいっしょにやっていた環境団体の活動家が、「NPOとか市民団体の社会モデルって、ビジネスとして成り立たないことが多いんだよな」と愚痴っていたのを思い出す。 昨今はやりのソーシャルビジネス(…
「世にも稀なる残念な男、関根圭一郎。三十路にして、遅咲きの恋。第3回an・anマンガ大賞!!!」というのが『関根くんの恋』(太田出版)のオビである。河内遙『関根くんの恋』の主人公・関根は、メガネ男子の30歳、大手企業のキレ者サラリーマンである…
2冊目くらいに読む本 ロシアとの領土問題交渉にあたってきた外務官僚・東郷和彦が日本がかかえる3つの領土問題を解説した本だといってよいが、ノンフィクション作家である保阪正康がそれに少々のツッコミをいれる対談を入れて共著の形をとっている。 いち…
ネタバレがあるけど、1話ごとに話がまとまっているから、そのうちの1話くらいネタバレしてもどーってことねーだろという人はそのまま読んでくれ。何が何でも反ネタバレ、ネタがバレるくらいならお前と刺し違えるという面倒な奴はどこかへ行ってほしい。 本…
うちの娘は5歳になる。この年齢は、なんと、あずまきよひこ『よつばと!』の主人公・小岩井よつばと同じだ。よつばは、ひらがなとカタカナが読めるようであるが、うちの娘もどうにか仮名は読めるようになった。だから、ふりがながふってある『よつばと!』…
「我が国固有の領土」とは 竹島・尖閣諸島についての政府見解で「我が国固有の領土」って出てくるけど、あれってどういう意味だろう。 「固有」がわかりにくいのな。固有って、領土問題では、その国だけのもの、って意味じゃねーの? 領土がどこかの国のもの…
2012年5月号の雑誌「経済」(「マルクス経済学のすすめ」特集)で、「資本主義は欲望のシステム…なのか 山田玲司『資本主義卒業試験』へのもう一つの答え」という文章を書きました。
しんぶん赤旗で「こんなマンガがあったんだ」を短期連載しました。 第1回(2011年9月9日付)東村アキコ『ママはテンパリスト』 第2回(2011年9月16日付)志村貴子『青い花』 第3回(2011年9月23日付)西炯子『娚の一生』 第4回(2011年9月30…
民医連新聞のマンガ評欄「マンガ評論家紙屋さんの『この一冊を読んでみた』」で紹介したもの。こちらはすでに連載が終わっています。 第1回(2011年4月4日号)矢口高雄『激濤 Magnitude7.7』 第2回(2011年5月2日号)山岸凉子「パエトーン」 第3回(2…
週刊アスキーでときどき書かせてもらっている「私のハマった3冊」です。これはウェブに転載されているものもあるので、そのまま案内します。http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/045/45373/ http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/096/96084/ http://weekly…
この間、紙の媒体で書いた文章をお知らせするのをしてこなかった。お知らせしながらそれについて書こうと思っていたせいだが、そんなふうにハードルを高くしてしまうと逆に書くのが億劫になってしまうものである。 ログとして残す意味でも、お知らせしていな…
帰省中に娘が寝た後、つれあいといっしょに映画「おおかみこどもの雨と雪」を観に行った。人間であり狼である狼男と結婚した、大学生・花(ハナ)が狼男の子どもである雪(ユキ)と雨(アメ)を生み育てる物語である。 以下はネタバレをする。結末がわかって…
政府(国家戦略室エネルギー・環境会議)が2030年のエネルギーをどんなデザインにするか国民に聞いている。8月12日までパブコメを受け付けている。 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html お前らも当然出すよな。 で、実際、どうすんだ、と…
28歳とは思えない。 いや、タイトルから想像される「おばちゃん」=オバタリアン(いわゆる「女らしさ」を放棄している、度し難い図々しさをもっているなど)という意味ではない。地元の銀行に勤める28歳の独身女性主人公・里谷淳子の家族観と人生観があ…
この本は、「経営法曹会議」という経営者側、資本側の立場に立った弁護士が書いている労働法活用本であり、タイトルのとおり、資本側への指南書にするつもりなのである。 そうすると中身は超絶ブラックなことが書いてあるんだろうな、と思うんじゃないか。「…
つれあいとケンカになった。 なぜなら日曜日。家族3人で昼に回転寿司を食べたときにぼくが酒を飲んで、家に帰ってくるなり寝てしまったのだが、起きると午後4時。 「おれ、床屋行ってくるわ」 というと、つれあいが猛然と批判した。 「あんたが床屋に行く…
昨日の朝日新聞の書評欄で大きくとりあげられていた。 http://www.matomabooks.jp/news/archives/1153.html マルクスを使った自己啓発本である。その発想がすごい。 著者は『マルクスる?』で知られた木暮太一である。 本書の特徴は、 大学時代にわたしが『…
セックスレスは結婚カップルでズレがあった場合に深刻 セックスレスが深刻な問題であるのは、未婚カップルの場合じゃないよな。 別れりゃいいんだから。 やっぱりした結婚したカップルにとって重大な問題なんだよなあ。 結婚したらおいそれと別れるわけには…
2009年に門井文雄さんの漫画で『理論劇画 マルクス資本論』(かもがわ出版)を出し、ぼくはそこで解説・構成の役目をつとめさせてもらいました。 http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/rirongekiga-marx-sihonron.html で、このたび、中国でこれが出版される…
ネット上で生活保護をめぐる話から親と子の関係の話に話題がとび、さらに「頭のよさ」についての話題にもなっているので、ぼくもちょっと書いてみる。DQNの教育問題について、またはわたしもDQNであるということ - はてなの鴨澤 環境という足枷 - G.A.W. 「…