この記事だけど、
危ないよ!死んじゃうよ!って2歳児にどうやって伝えたらいいのか。 - yuki's blog...
交通事故、家庭内事故、その他でいろいろ違うと思うんだ。
交通事故におけるルール遵守というのは、1万回のうち1回は守れないなら事故には遭わないけど、5回は守れるけど1回は守れない、というのではいつか事故に遭ってしまう。
小児科医の今井博之は言う。
10歳未満の子どもは近代の交通環境に対処できるだけの生物学的発達段階に達していないことが、発達心理学で証明されていますから、この年齢の子どもをいくら教育しても、事故を減らすことはできません。
子どもが自ら危険を察知し、自分で判断して安全行動をとることができるようにしようとする教育は、単に大人が一方的に子どもに押しつけているだけの妄想にすぎません。(今井博之「子どもの事故を防ぐために8 歩行者事故」/「ちいさいなかま」2013年11月号p.53、強調は引用者)
そこまで極端でなくても、2歳児に何か伝えることで事故を防ごうとするのは、限界があるってこと。言語でなくても、たとえば大騒ぎしたり、ひどい場合は叩いたりして伝えたとして、その場では伝わったとしても、いつでもそういう注意を守れるわけではない。
今井は歩行者事故は自動車事故とちがって、同じ箇所で起こる確率は数%しかないから、通学路などの危険箇所を洗い出して改良する「ブラックスポットアプローチ」は役に立たないと言う。
ここまで言われるとカチンとくる。じゃあ、俺が自治会でやった交差点改良とか、いまPTAでやっている「通学路危険度チェック」って無駄なのかよ! とは思うけど、まあ、一理あると思って耳を傾ける。
今井が提唱するのは「ゾーン30」つまり、通学路などの一定区画を30キロに制限するようにして死亡率を下げるしかないと述べる。
衝突時の時速が30キロの場合の死亡率は5%であるのに対し、時速50キロでは45%にまで急増します。(今井同前)
家庭内事故についても、たとえば、「熱いものは触っちゃダメよ!」と言うより、子どもから熱いものを遠ざけておくのが一番である。また、転んだ時にケガをしないような鋭利なものを遠ざけておくのがよい。
人間は24時間絶えず注意力を保ち続けることはできません。したがって今後も安全な環境、安全な製品を作ってゆくことに努力を続ける必要があるでしょう。
最後になりますが、子どもにわざと熱いものをさわらせて危険を察知できるための経験を積ませようとする親がいますが、この考えは完全に間違っています。絶対にしないでください。(今井/「ちいさいなかま」2014年1月号p.55)
子どもに対しては、言葉やコミュニケーションだけで安全を確保しようとすべきではないのだが、言葉やコミュニケーションで危険なことを伝える努力自体は続けるべきだろう。わからなくてもいつかはわかるし、部分的にでもわかるからだ。
ぼくは恐怖アプローチというか、事故に遭うと、脳みそが飛び出したり、手がちぎれて血が出て、死ぬほどの苦しみを味わう、みたいなことを、
「はぁっっ…いたいっ、いたいっ、おとうさんっ、はぁっ、はぁっっっ…いたいっ、いたいよっーー!」
みたいなオーバーな劇をやって伝えていた。
「そこまでやらんでいい」と連れあいが眉をひそめつつ、娘はそのときひどく神妙な顔で聞いていた。しかし、しばらくしたら道に飛び出してたけどな。
家庭内事故の場合、たとえば歯ブラシや竹串を口に入れたまま走るとか、ハサミをもって歩くとか、そういうのはさせないようにした。取り上げた。注意もしたけど、必ず忘れて、やろうとする。
ボタン電池とかは近くに置かないようにした。
近づかせないようにするか、飲んでもとりあえずは死なないものを買うしかない。