雑感

gryphonのぼくへの批判を考える

前の記事について批判的なコメントがあったので、ぼくなりにちょっと考えてみる。 id:gryphon 『A(例えば自衛隊)は憲法違反。だが「国民合意」の形成まで存続させ続ける』というのは”立憲主義”とは言えないのでは?…とhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/2016…

ディズニーランドか保育園の行事か

これなんですけどね。 東京ディズニーランドに行くという理由で保育園の行事を休ませるか、激しく迷い中 - Bygones ! http://alstroemeria.hatenadiary.jp/entry/2017/09/26/061553 子どもの意見聞けよ、というのが最適解とは思うけど、もしもまじめな保育園…

野党共闘は「見直せ」

共産党が参加する野党連合政権が誕生し、共産党が閣僚を出せば、その閣僚は国会で「政権としては自衛隊が合憲であると考えるし、そう運用する」と答弁することはもちろんである。 それだけではない。平時には自衛隊が正面装備を買う予算をつけるだろうし、北…

「給料前借り特区」は貧困ビジネスを生み出さないか

福岡市の高島市長のもとですすめられている「給料前借り特区」。まだ提案の段階らしいが。 毎日新聞の記事にこうある。 労働者には日ごとに働いた分の賃金額がスマホに通知され、店頭でスマホ決済することでその金額内で買い物などができ、店の口座には雇用…

保育士のスト 「首都圏青年ユニオンニュースレター」を読む

保育士がストライキをしているというコラムを、食い入るように読んでしまった。 ぼくのもとに送られてくる「首都圏青年ユニオンニュースレター」は前にも紹介したことがあるが、あれ以来、ずっと楽しみに読んでいる。 http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/newsl…

あなたのまちの首長は核兵器禁止条約締結を政府に求めているか

核兵器禁止条約ができた。 この条約ができたことによって、核兵器廃絶をめざす運動は、具体的な目標をえることになった。 国レベルでは、「核兵器禁止条約に日本政府として参加せよ」ということになる。 安倍政権には今のところ、その気はなさそうだから、こ…

介護と愛情――ACジャパン広告学生賞の作品を見て

「今日、母は私の名前も言えなかった。」――で始まる、このACジャパン広告学生賞の作品が日経の夕刊に出ていたのを眺めていて、なんだかホロリときてしまって、不覚にも涙が出た。 https://www.ad-c.or.jp/campaign/cm/pdf/np-semi-grandprix.pdf 「これが涙…

「ジャンプお色気♡騒動」に思う

これな。ジャンプお色気♡騒動。【法律家版】 - Togetterまとめ ぼくもエロマンガを読み、そして「楽しんで」いるし、(エロマンガとはとても分類できないが)今回槍玉にあげられた『ゆらぎ荘の幽奈さん』は、小4の娘も愛読している。 「そのまま真似る」と…

PTAを退会した話と音楽鑑賞会で100円多く払った話

退会しても別に不利益はこうむりませんよ PTAを退会した。 うちの小学校でただ一人(厳密にいうと、ただ1家庭)のようである。 公式には(つまりPTA相手には)何の理由も告げていない。 きっかけとしては、PTAが任意加入であることをきちんとしてほしい、と…

「共産党ファースト」のせいなの?

長島昭久が民進党を離党した。野党の「共産党ファースト」こそ変えなくてはいけない −−長島昭久衆議院議員に聞く(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース それから、野党共闘そのものを否定しているわけでもありません。まず民進党がしっかりと政策の柱を立てる…

空襲のない日常――『この世界の片隅に』と朝鮮半島の危機

米朝間の戦争を強く危惧する。 いろんなことはこの間あるけども、これほど重大な政治問題はない。 北朝鮮への事実上の出撃拠点となる在日米軍の基地があり、アメリカとの軍事同盟国ともいうべき日本が、ミサイル、テロ、大量破壊兵器の標的となることを恐れ…

谷口ジローの死

谷口ジローが亡くなった。 特に感慨はない、と思っていたが、自分がこの14年間のブログ人生(?)で書いたものを振り返って、結構とりあげていることに気づいた。 『神々の山嶺』 「山の量感」と「登山という近代個人の登場」を描き切った『神々の山嶺』は中…

勉強は役に立つか

「勉強って、やらんといかんと?」と小3の娘は今日も涙をボロボロこぼしながら算数の宿題をやっていた。「きもちわるい〜」と叫び、途中で放り出して彼女は寝た。かわいそう。 下記のエントリが少し話題になっていた。勉強は役に立たない 小学校・中学校・…

PTA問題は「必要か不要か」で論じるべきではない

任意団体であれば、何をやっていても問題ない PTAをめぐる記事とコメントを読んで、問題の整理のために書く。#PTAやめたの私だ 「入会しません」 ひとりの主婦の静かなる抵抗 PTA批判について思うこと - 感想文 PTA批判について思うこと その2 - 感想…

『この世界の片隅に』の原作とアニメの距離――もしくは戦争についての創作はどう描くのが「成功」なのか

書いていたら長くなった。 先に要旨をまとめておく。 マンガ『この世界の片隅に』は前半が戦前・戦時の日常の描写、後半が主人公の心象であり「記憶」と「想像力」をめぐる物語である。他方、アニメ「この世界の片隅に」は、戦前・戦時の日常をそのまま再現…

博多駅前陥没事故について(および福岡市政について)

博多駅前陥没事故で復旧が早かったことに関連して、びっくりしたことがある。 復旧の早さそのものではない。 高島宗一郎・福岡市長に対してまで賞賛の声が上がっているのを聞いてびっくりしたのだ。 異常という他ないので、一言書いておきたい。 事故の最高…

『シン・ゴジラ』を観てきた

以下、ネタバレあり。 『シン・ゴジラ』を一家でみる。 一言で言って、娯楽作品として大いに楽しんだ。 ゴジラが津波と原発を想起させる存在だと思いながらも、ゴジラによるドハデな破壊、ゴジラの制御不能ぶりに右往左往しつつアタックを繰り返す様子を、ワ…

参議院選挙の結果を見て

野党共闘の、「驚くべき」と言ってよい「成果」 参院選が終わって一番の注目すべき点は、何と言っても野党共闘をした1人区で11も勝利したことだろう。1人区での野党の勝利は前回わずか2だったのだから、正直驚いた。 民進党は前回2013年参院選の17と比べ…

【読み捨て版】読書家などとは言えぬぼくが勧める、ぼくの人生を大いにもしくは少しだけ変えた5冊

もちろんこの記事のパロである。 【保存版】数千冊は読書した私が勧める、あなたの人生を変えるかもしれない30冊 - トイアンナのぐだぐだ 「面白かった!」と思える本に出会うのはたやすいけれど、人生を変えるほどの衝撃を与えられることはめったにない。ブ…

マルクス主義者にとっての人生の意味

旧日本軍に入営した主人公・東堂太郎が異常な記憶力と軍の規定を駆使して、軍隊内の不条理と向き合う、大西巨人の小説『神聖喜劇』をくり返し読んでいる。 風呂でほぼ毎日朗読している。 光文社文庫版第2巻の372〜373ページには、ヨッフェの遺書が掲載せら…

「格差は教育費無料でも広がる」のか

このエントリを読んで思い出したこと。格差は教育費無料でも広がる ぼくは無料塾で講師のようなことをやってきたが、この春、ずっと教えてきた中学生のRくんが志望する学校に合格できた。万歳! Rくんは前のエントリでも書いたけど、「偶数と偶数の和はなぜ…

小児性愛者を「合法的に手助け」する人形の議論について

この問題。 小児性愛者を「合法的に手助け」する人形の製造は是か非か〜BuzzFeed Japan記事への賛否両論 - Togetterまとめ 原理的にはあまり難しい問題はない。 まず、こうしたドールが小児性愛者を「合法的に手助け」するかどうかは、本筋の論点とは思われ…

保育の質をどこで線引きする気なのか

これなんだけどね。今の保育園の問題は、「日本の競争力強化の阻害要因」の問題であって「弱者救済の福祉の不備」の問題ではない。 - 蕎麦屋 このブロガー(「蕎麦屋」)の主張は、どこからか原資を調達してきて認可保育園でなくて、保育所をつくれというこ…

町内会の会長が引き継がれた

実践倫理宏正会の会報『倫風』には「世相診断 社会を見る眼」というコーナーがあり、2016年4月号で、ぼくは「町内会のジレンマ──“入って安心”“役員・付き合いが面倒”の狭間で」と題する談話を載せた。 実践倫理宏正会は「朝起会」で有名な団体である。 『倫…

引っ越しで地元中小業者を使ってみて

引っ越しが終わった。 いやー、終わったなー。疲れた。 引っ越しをしてみて、思ったことを書いておく。 人生で10回近く引っ越しをしてきたが、自分自身が業者に依頼したのは初めてである(前回も頼んだがつれあいがやってくれた)。今から書くことの多くは「…

同性愛を「気持ち悪い」と思うこと

「同性愛は異常だ」という発言をする人は、ある性愛の有り様が自分にとって気持ち悪い、ということを根っこにもっているんだろう。 ヘテロセクシャルでも、たとえば自分の上司(疲れた年輩のじーさん)が自分の職場の高齢の経理の女性といちゃいちゃしたりセ…

ジムとしての町内会活動

町内会の活動って、まじめにやるとすごくカロリー消費するよ。 いや、うちの町内会は、まじめにやってないし、そういう何でもかんでも引き受けちゃって重荷になっている町内会活動を、ぼくは批判してきたわけだけども。 今日はあえて、そういう重荷の町内会…

不破哲三「本と私の交流史」の記事を読む

古本屋めぐりをまったくしなくなった。 福岡には古本屋がないせいである。 いや、あるよ。 あるけど、遠いし、ほとんどないので行かないのである。 言っとくけど、ここで言っている「古本屋」っていうのは、ブックオフとかそういうアレじゃないから。古書店…

避難指示が出ているのに誰も逃げない問題

朝日新聞デジタルで町内会・自治会特集が始まっている。 町内会について意見を集約しており、すべて読める。 すべて読んだ(9月20日時点)。 いろんな意見があるわけだが、大雑把にいって、(1)町内会は必要であるという意見、(2)強制され、負担を背負…

公営住宅の自治会はなぜ共益費を集めるのか

東洋経済オンラインで、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』などの著書がありPTA問題にくわしい大塚玲子さんをインタビュアーにして、ぼくがPTAと町内会問題の「共通性」などをテーマとするインタビューに答えた記事がアップされています。 ぜひごらん…