旧ホームページから移転

茨木保『まんが 医学の歴史』

『理論劇画 マルクス資本論』の発刊記念の講演会が終わった。来てくれたみなさん、深く感謝。個人的には終わった後の質疑応答が刺激的だった。大喜利とは言わんけども、考える時間があまりなく次々質問されることにどう答えるか、こっちは緊張するし、相手も…

杉本亜未『ファンタジウム』

「主人公に弱点をもたせると個性が出る」というキャラクター作りのイロハがある。才能を輝かせる主人公を描くとき、その秀才・天才ぶりを描くだけでは平板になってしまうので、弱点を何か加味することで途端に愛らしい、共感がもてる存在になる、というわけ…

松田道雄『定本 育児の百科』

育休が今月いっぱいでおわります 電車に乗っていたら初々しい高校生カップルが! その初々しさがたまらんなーと思って見ていたのだが、後でつれあいに話すと、「そんなふうに見てたら、絶対にあやしいと思われたんじゃないの?」。 ふふふ、さにあらず。 な…

三好徹『チェ・ゲバラ伝』

「ゲバラ」という非日常、「日本」という日常 週刊誌「SPA!」で、911事件直後、ビンラディンに賞金がかけられたこともあって、「ビンラディンが日暮里に潜伏していたとしたらどこに通報したらいいのか」、という記事が載ったことがある。 この記事が何となく…

佐藤和夫『仕事のくだらなさとの戦い』

本書の中心点は、効率優先の近代的な労働を批判し、労働の核に「コミュニケーション」をおくことによって、人間らしい労働(心の生活のための労働)の回復をめざす、というものである。なんかこう書くと、ものすごく平凡な本みたいだなあ。 仕事のくだらなさ…

川谷茂樹『スポーツ倫理学講義』

ぼくが小さいころ、兄と卓球をしていて、縁をねらった球をうつと、「丸紅打ち」と兄に非難された。打球自体はセーフなのだが、ボールが縁にあたると、異常な角度をつけてボールが飛んでいき、ほぼ確実に打てなくなる。 当時ロッキード事件がおきており、総理…

中沢新一『はじまりのレーニン』

知り合いの左翼の女性に、「もし子どもが生まれたらどんな名前をつけたいか、あるいは、その名前にどんな人生の期待をこめるのか」と聞いたとき、彼女は「この世界が美しいと思ってくれる子になってほしい」と答えた。 いい答えだ、と感心した。 左翼や共産…

J.ジグレール『世界の半分が飢えるのはなぜ?』

入門の本はないかとおもって、よく、子どもむけの本を買う。 子どものむけの本は、「わかりやすい」、ということもあるが、しばしば「本質的」であるからだ。 世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実 作者: ジャンジグレール,J…

久野秀二「環境問題と史的唯物論」

ある有名なモノ書きのメールに、「マルクスは合理的な資本主義をめざしていたと思う」という一文があった。それはちがうだろう。 この人は、おそらく旧ソ連の実態から直接にマルクスをイメージし、「どちらも同じ19世紀思想」と考えて、「大量生産、大量消費…

北原みのり『フェミの嫌われ方』

フェミニストである筆者・北原みのりが批判する、つんく『LOVE論』をまずごらんください(北原の引用より孫引き)。 「おかんな女の子〔母親っぽい女、の意〕とつきあったら、きっと一緒にご飯食べるときなんかも知らないうちに人の箸を取ってくれちゃったり…

橋本毅彦・栗山茂久『遅刻の誕生』

ああ、もう。ぼくにとって、遅刻は高校以来の宿敵だ。 長時間電車通学によって始まった「時間との闘い」は、やがて、小中学校時代は(わが家において)絶対に許されなかった「遅刻」というものを体験させた。 次第にひどくなっていくぼくの遅刻。日中はほと…

小原愼司『菫画報』

佐倉高校の新聞部の星之スミレを主人公とし、その友人琴子、後輩の上小路、先輩の「部長」などとの日常(非日常)を描く。1話完結形式。 作者は黒田硫黄の友人だときくけど、黒田硫黄が大学の寮的空気を濃厚にまとわせて登場してきたのにたいして、小原愼司…

深見じゅん『おとぎ話つづく』

登場人物の服装にどれくらい気をつけているか、ということは、女性漫画家によってずいぶんちがうと、つれあいから教えられたことがある。 もともと、男性系アニメに出てくる女性の服装とか髪型があまりにも浮き世離れしていて、街でこんな格好をしている若い…

ほったゆみ・小畑健『ヒカルの碁』

ぼくは少年漫画は長い間ひかえてきた。しかし、小学生のあいだに碁ブームを巻き起こしている漫画として、この『ヒカルの碁』だけは一度読んでみようと常々思っていた。が、なかなか手がのびなかった。 ヒカルの碁 全23巻完結セット (ジャンプ・コミックス) …

山本文緒・海埜ゆうこ『紙婚式』

『紙婚式』のオビにはこうある。 紙婚式 (Feelコミックス) 作者:山本 文緒,海埜 ゆうこ 発売日: 2003/10/08 メディア: コミック 「結婚しました。だけど…… 結婚は幸せばかりではなく、 辛いことばかりでも、ない。 ずれながらも交錯する、6組の夫婦それぞれ…

たなかじゅん『ナッちゃん』

(第7巻までしか読んでいないという前提ですが) 学生のとき、小関智弘のルポ『春は鉄までが匂った』を読もうとして、挫折した。しかもかなりとっかかりの部分である。あのとき、思想とか世界観とか、いわば「形而上」のものに心を奪われていて、現実の物質…

あずまきよひこ『よつばと!』

榛野なな恵『Papa told me』にたいして、関川夏央は、妻を亡くした文筆業の父と娘、という人物配置に次のようなコメントをくわえている。 Papa told me 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者:榛野なな恵 発売日: 2016/12/01 メディア: Kindle版 「娘は、…

とよ田みのる『ラブロマ』

ぼくの高校時代の友人に、好きな女の子に校庭で「好きだー」と大声で叫んだやつがいた。 ぼくは、この感性を、「キモい」といって遠ざけるほど冷笑的に見ることはできないし、かといって「それこそ正しい青春だ」と過度の思い入れを託すこともできない。その…

つげ義春『リアリズムの宿』

ここでとりあげた「リアリズムの宿」というのは、主人公の言い分を借りれば、主人公は鄙びた秘湯をたずねたりする旅行が好きなのですが、そこにその土地の“生活の臭い”がしてしまうことをたいへんきらっていて、その生活の臭いを「リアリズム」と主人公独特…

木村千歌『ずるずるマイラブ』

「他人の不幸は蜜の味」ということばの親せきみたいなもんで、他人の悪口を言うのが快感だという感情がある。ぼくの友人グループのなかである一人(Aとしよう)の悪口を言ったりすることがあって、Aがいかにダラしないやつか、それが倫理的にみていかに悪…

榛野なな恵『ピエタ』

(ネタバレがあります) ピエタ 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者:榛野なな恵 集英社 Amazon 榛野なな恵にとって、世界は、彼岸と此岸に分裂している。 平凡と普通を強制する帝国と、そこからはずれた人たちの共同体である。 『Papa told me』ではそ…

細野不二彦『ギャラリー・フェイク』

2003年感想記述=短評で書いたことを転記 ギャラリーフェイク(1) (ビッグコミックス) 作者: 細野不二彦 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2012/09/25 メディア: Kindle版 クリック: 9回 この商品を含むブログ (7件) を見る 『ギャラリー・フェイク』の三…

南Q太『クールパイン』

クールパイン (FEEL COMICS) 作者: 南Q太 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2014/02/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 主人公の女子高生が、先輩の家に遊びにいって、なかば強引にヤられてしまい、その後も、ちぐはぐな先輩とのついあいを…

あずまきよひこ 『あずまんが大王』

あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX) 作者: あずまきよひこ 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2000/02 メディア: コミック 購入: 6人 クリック: 260回 この商品を含むブログ (292件) を見る ぼくが有事法制批判のまんがを公表したとき、2chで…

吉野朔実『記憶の技法』

記憶の技法 (flowers コミックス) 作者: 吉野朔実 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/08/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 子どものころ、誰もいない家に帰ると怖かった。 田舎で農家だったせいもあろうが、だだっ広い家が静まりかえる…

冬目景『イエスタデイをうたって』

プーのリクオと、高校を中退したハル、リクオの片思いのシナコとのだらだらした恋愛・交流。 イエスタデイをうたって 1 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 冬目景 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1999/03/19 メディア: コミック 購入: 7人 クリック: 119回…

犬上すくね『恋愛ディストーション』

恋愛ディストーション(1) (サンデーGXコミックス) 作者: 犬上すくね 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/06/18 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 稚野鳥子をOLの妄想だと書いたり、花田祐美をOL版『BOYS BE…』だと書いたりしたが、…

魚喃キリコ『strawberry shortcake』

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD) 作者: 魚喃キリコ 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2002/12/01 メディア: コミック 購入: 8人 クリック: 68回 この商品を含むブログ (278件) を見る ぼくは、あんまり好きな漫画家じゃなかった。ていうか食…

杉浦日向子『ゑひもせす』

ゑひもせす (ちくま文庫) 作者: 杉浦日向子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1990/08/01 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (23件) を見る このなかの「吉良供養」が圧巻。反忠臣蔵のマンガだ。 昨年は討ち入り300年とかで…

あいかわももこ『コスメの魔法』

コスメの魔法(1) (Kissコミックス) 作者: あいかわももこ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/11/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 30点とかつけてるくせに、5冊も買いました。すみません。 デパートの化粧売り場の主人公・高樹…