2010-01-01から1年間の記事一覧

子どもの写真つき年賀状のこと──『永遠の途中』にもふれて

ぼくは年賀状を欠かさないタイプの人間で、今年も100枚ほど出す。 さて、子どもが生まれてから必ず脳裏を横切るのは、子どもの写真つき年賀状のことである。 たしか原田梨花の『Black!』ではなかったかと思うのだが、子どもの写真が大写しで載った年賀状につ…

「ザ・スニーカー」に『男子高校生の日常』の書評を書きました

「ザ・スニーカー」2011年2月号の「コミック前のめり!」に山内泰延『男子高校生の日常』(スクウェア・エニックス)の書評を書きました。 ギャグを解説する、というのはいつやっても難しいものです。 このマンガは土手でメルヘンな女の子と、凝りに凝った…

『このマンガがすごい! 2011』のアンケート選者をつとめました

『このマンガがすごい! 2011』のオンナ編のアンケート選者をつとめさせていただきました。 すでにこのランキングのネタバレはいろんなところでされちゃってるけど、一応まあ、かかわらせてもらった信義上、伏せておきます。漫棚通信ブログ版で言われている…

東京都の青少年条例について思う

西日本新聞の投書 先日(2010年12月9日付)の西日本新聞の投書欄に「過激な性表現 規制やむなし」という70歳の人の投書が載った。もちろん東京都の青少年条例の件だ。 投書は、表現の自由という主張に一定の理解を示しつつも、規制はある程度はやむを得ない…

諌山創『進撃の巨人』

群れたゴキブ○に似る 『進撃の巨人』は何が「印象に残る」かといったら、それはもう巨人のフォルムのキモさだろう。特にだね、60m級とか、15m級とか、2〜3m級とかお願いだからやめてほしい。そういう大きさがバラバラな、しかし相似形の生き物が群がっ…

「週刊アスキー」で「私のハマった3冊」を書きました

「週刊アスキー」2010年12月14日号に「私のハマった3冊」を書きました。今回は恋愛や心理を対象化して、まるで客観物のように冷静に観察する3冊を選びました。 ぼくが選んだのが同誌の別のページでも別のライターさんが紹介していて、「アスキーはどんだけ…

自衛隊は暴力装置ではないかどうかという話

もう話題の賞味期限が切れつつあるが、こんな大事な問題を消費なんかしちゃいけないんだ!(キリッ 仙石官房長官の「暴力装置」発言が波紋を広げ、ものすごい明後日の方向へ波紋が広がっているのはネットの一部。 もうとんでもなく論点が拡散しているんだけど、…

古市憲寿『希望難民ご一行様』

わー、不快な本だなー。胸くそ悪い・オブ・ザ・イヤーに決定。 冒頭に著者が 本書は、読む人にとっては不快な本である。 と断り書きしている通りだよ。 つれあいが新聞の書評欄か広告で見つけて、買ってきてぼくに読め読めと押しつけたものである。 ぼくはコ…

「休日くらいはゆっくりさせろ」とぼやくパパへの非難の件

下記の元記事を読んで、乳幼児期の育児の大変さについて共感していたのだが、「休日くらいはゆっくりさせろ」とぼやく、KYな世の中のパパさん達へ 元記事のコメント欄、はてブのコメントが荒れていて驚く。とくに前者の攻撃性に仰天する。 「自分は子育てを…

丸山政男『ソヴェートの市民生活』

ジュンク堂に行ったら「アテネ文庫」の復刻をやっていた。 http://www.junkudo.co.jp/atene.htm 同文庫は、1948年から64ページだてで発行されていたもので、10年ほど続いた。 いろいろ面白そうな本があったけど、丸山政男(真男ではない)という元陸軍大将中…

フィリップ・ショート『毛沢東 ある人生』(山形浩生・守岡桜訳)

ヘーゲル、トロツキーときて、毛沢東かよ。 上下巻合わせて800ページをこえる大部で、途中で投げ出すかと思ったが、読了してしまった。 日経新聞(2010年9月12日付)に載った毛里和子の本書書評に 本書の価値は、訳者も強調するように、「もっともバランスの…

安彦良和『虹色のトロツキー』 田中克彦『ノモンハン戦争』

『虹色のトロツキー』は90年代半ばに初版が出た時に読んだが、セックスシーン以外あまり興味を覚えなかったことを覚えている(「ちょっと『虹トロ』買ってくる」と出かけんとする御仁のために行っておけば、それはわずか2シーン。しかも超控えめな表現)。…

小川仁志『ヘーゲルを総理大臣に!』

見るだに『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(『もしドラ』)と、サンデル『これからの「正義」の話をしよう』の路線の融合だとわかる。 『もしドラ』の表紙は「萌え」を狙ったものだが、個人的には萌えない。セー…

「スニーカー」で『地球の放課後』を書評

「ザ・スニーカー」2010年12月号の書評連載「コミック前のめり!」で吉富昭仁『地球の放課後』について書きました。同誌をただちに買って読み、そしてぼくにではなく編集部に「すごく面白い書評だった」「天才ではないか?」という手紙&メールを送って下さ…

認可保育園は税金使いすぎなのか?

「報道ステーション」で保育にかかる税金の問題が特集されていたようだ。やっぱり出た!保育料2万円、税金50万円(うんざり): 博多連々(はかたつれづれ) この報道自身を見ていないので、何とも言えないところはあるんだけども、上記のエントリをみると、…

かきふらい『けいおん!』

コミック版『けいおん!』の全4巻を読了する。 『けいおん!』を知らない人のためにいっておくと、高校に入学してバンドを始めた女子高生・平沢唯を中心とする同級生3人と、下級生1人のゆるい日常をつづった4コママンガである。 アニメは第2期の第20…

かきふらい『けいおん!』

アニメでハマったが、きっとマンガは面白くあるまい、というのがぼくの予想であったが、あにはからんやなかなかイケた。 いやこれ、自分ではもうよくわからなくなっているんだけど、明らかにアニメのアンソロジーを読むような気持ちで読んだせいかもしれない…

「サイゾー」で『ONE PIECE』についてコメントしました

雑誌「サイゾー」2010年11月号の特集「『ONE PIECE』大ヒットで本当に“儲けた”のは誰だ!?」の中にある「『ONE PIECE』への批判が表に出てこない理由って?」というコラムでコメントしました。コラム全体は編集部が書き、ぼくはそのなかでくだんの「炎上」に…

左翼の定義

この記事について。世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼 - Zopeジャンキー日記http://mojix.org/2010/10/15/matsuo-uyosayo ぼくは公言している通り左翼である。 左翼とは何か、とよく問われる。 左翼…

益田ミリ『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』

益田ミリの新刊『どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心』(幻冬舎)は、えんえん嫌いな人が「すーちゃん」やその周辺の人々にかけてくる心的負荷をこれでもかこれでもかというほどに、しつこく、バカ丁寧に、微に入り細に入り、えんえんと描き綴っている。こ…

杜康潤『坊主DAYS』

天堂きりん『おひさまのはぐ』を読んでいて急にイケメンの住職が準主役で登場した。そんなに普通に僧侶が出てくるのに少し驚く。どうも一部に「住職ラブ」みたいな流れがあったようなことは、本屋に平積みされたマンガを散見すると気づかされる。そもそもわ…

椎名軽穂『君に届け』

今日(2010年10月8日付)の西日本新聞の宮本大人連載「マンガは生きている」は椎名軽穂『君に届け』だった。 これね。これね。絶対俺の『君に届け』評への批判だから。もう100%、完全に、保証書添付で、何があっても間違いないから。だってさ、ほら、考…

下請だけの保護者会なら要らない

奇妙なルール うちの保育園には奇妙なルールがある。 それは、「保護者会の集まり、あるいはクラス単位もしくはそれに近い規模での集まりは必ず園の中でやってほしい」というものである。 これだけ聞くと奇妙に聞こえない人もいるだろうから、このルールを裏…

横山光輝『ウイグル無頼』

中学校のときに、横山光輝の『三国志』にハマり、学校にもちこんでブームをつくったのは何を隠そうこの俺である。そのあと『横山光輝三国志事典 おもしろゼミナール』という困ったタイトルの本が出たくらいだから、自分の学校を起点として全国的ブームとなり…

『サラリーマン漫画の戦後史』と『三等重役』

会社の慰安旅行に行ってきた。 温泉街に100人規模とかで出かけたりして、そんでもって、大宴会場でみんな浴衣を着て、舞台で中高年の上司とかが演歌とか歌っちゃったりするので、ものすごく「戦後」なわけである。別に若い女性にじゃなかったけど、年配の女…

サンデルの問いを考えてみる

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』をちょっとした読書会で読むために読了した。ちなみにサンデルのこの本、そこでも話題になってたんですが5月発売でもう68刷ですよ。まああんまり部数はないんでしょうけど。 サンデルは日本での講義の…

「週刊アスキー」に「私のハマった3冊」を書きました

「週刊アスキー」の2010年9月21日号(No.799)に「私のハマった3冊」を書きました。 小賢しい知恵が炸裂する歴史漫画、ということで選びました。

林まつり『ダンナは海上保安官』

『ダンナは海上保安官』はタイトルのとおりの4コマコミックエッセイである。 職業に焦点をあてたコミックエッセイは、その職業の知られざる点を掘り下げるというだけでも、つまりネタの発掘だけでもかなり楽しめるものである。 シャコが船から出た人のウン…

「くさらせる叱り方」にかわる20の方法について

下記の記事を読んで思ったことを、ちょっとだけメモ。 「くさらせる叱り方」にかわる20の方法 読書猿Classic: between / beyond readers http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-416.html この記事は「子どもをくさらせる10の叱り方」 http://r…

「ザ・スニーカー」、ガジェット通信に拙文が載ってます

角川書店のライトノベル誌「ザ・スニーカー」に「コミック前のめり!」という連載を持っておりますが、最新号(2010年10月号)に柳原望『高杉さん家のおべんとう』の書評を書きました。 また、ガジェット通信に「子供をしかる若い母親に『お母さん、それは無…