雑感

政治家としての大局観・歴史観

「読売」はウクライナ戦争について識者に意見を聞いているのだが、今日(2024年4月17日付)載っていた横手慎二のインタビューが面白かった。 www.yomiuri.co.jp 横手の本については以前感想を書いたことがある。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 横手のインタ…

「不適切にもほどがある!」を観ての感想

ドラマ「不適切にもほどがある!」を娘が観ていて、家族で観るともなしに観ていた(最近このパターン多し。「光る君へ」もそうだ)。 www.youtube.com 昭和末期の体育教師・小川が令和にタイムスリップしてくるという設定のドラマで、初回を観た時、ぼくはバ…

ハラスメントは組織の外で認定してもらうべきだ

ハラスメント問題の処理——認定や救済は、組織や団体の中で閉じ込めて、外に漏らしてはいけないだろうか? ハラスメントは日本では現在違法——犯罪扱いされていない。 しかし、ハラスメントの中でも例えば刑法に触れる性暴力に該当する場合は、さすがに組織内…

人生最悪の年

今年は人生で最悪の年だった。仕事でも家庭でも。 もちろん、来年はそんなことがないようにしたいのだが、「『最悪だった』なんてのんきにブログに書けていた頃はよかったな〜」などという具合に「最悪」を更新することもないわけじゃない。 何をしていても…

テスト前のわが子にイラつく

高校生のわが子は、もうすぐ期末試験である。 1学期はちょっとがんばっていたが、2学期の中間は全然勉強せず、テストの結果も順位も落ちていた。物理学(「物理基礎」)の出来が悪かった。 「俺の高校時代とおんなじだなあ」と思った。 もうね。斜面に止ま…

『西村賢太対話集』

「長い休み」はまだ終わらない。いつ終わるともしれない。なんの見通しもなく、いつ終わるのか聞いてもその返事さえない。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com なんのための時間なのかさえ、具体的に示されない。 治療と投薬へ追い込まれ、ぼくの精神が蝕まれて…

首都圏青年ユニオン「ニュースレター」2023年9月号の感想

首都圏青年ユニオンのニュースレター2023年9月号の(vol.271)の感想です。 いつも面白く読んでいることは、このブログでもたびたび書いてきましたが、 皆さんのニュースレターへの感想やご意見をお待ちしています と終わりのページに書いてあったのに気づき…

「ごん狐」におけるごんの行動や気持ちがなぜ地域に伝わっているのか

新美南吉はぼくの生まれた愛知県の出身である。「ごん狐」があまりにも有名だ。 ごんぎつね (日本の童話名作選) 作者:南吉, 新美 偕成社 Amazon さて、そんな「ごん狐」について、昨日(2023年8月21日)付の「しんぶん赤旗」で、教育実践の報告記事があった…

日米韓首脳会議の合意文書の中に解決の答えがある

日本共産党の志位和夫委員長の談話が、産経新聞の記事で切り取られて紹介され、ネットの一部で叩かれている。 b.hatena.ne.jp 志位談話の全文は次のリンクを見てほしい。 www.jcp.or.jp 軍事ブロック強化、核威嚇、先制攻撃への組込みは正しくない 中国が台…

映画「君たちはどう生きるか」の冒頭シーンは空襲か

宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」の冒頭シーンについて、ほとんどの論評や感想はあれを空襲として捉えているのだが、一部に「空襲ではない」という意見がある。ぼくの感想に対してもそのようなコメントをしている人がいる。 ぼくは現時点で確言できるよう…

映画「君たちはどう生きるか」を評価する

2回見た。1回目は一人で。2回目は家族で。 これは間違いなく、宮崎駿の最後の作品であろう。と予感した。 「まーた、これで最後最後詐欺だろ」という声も聞こえてきて、実際にそうかもしれないけど、そこが問題なのではない。 現在82歳となった宮崎駿。彼…

なるほどですね

本当にしょうもない雑談・雑感だが。 福岡に来て17年が過ぎた。実家の愛知(三河地方)に大学に入るまでの18年いたから、いよいよ自分が人生で一番長く時間を過ごした土地ということになりそうである。 昨日このようなツイートを見た。 そういや、クライアン…

娘からもらった『私たちが拓く日本の未来』を読む

高校生になった娘からいきなり総務省・文部科学省発行の『私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために』という副教材をもらった。教師から「親に渡すように言われた」というのである。 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/new…

高校のPTAの加入の2条件を提示して交渉した結果はどうだったか

(この記事は、はてなブログ×codoc連携サービスのプロモーションのため、はてなからの依頼を受けて投稿しています。) 娘が公立高校に入学し、そこにあるPTAの総会で、ぼくは発言し、2つの条件を示して、もしそれに応じてくれるのであれば参加しますよ、と…

長い休み

長い休みに入った。 休み明けの日は一応決まっているけども、本当にその日に休みが明けるのかどうかはよくわからない。これまでの人生では、そんなことはなかったのである。 休んでいる今、思い出し、読み返すのは大西巨人『神聖喜劇』だった。 神聖喜劇〈第…

PTAに入って活動したいと思える2条件を総会で述べた

娘が通うことになった公立高校のPTAに、現在ぼくは加入していない。 にもかかわらず、PTA総会に出かけ、「加入していないですが、1年生の保護者です。参加してもよろしいですか」と受付で声をかけて参加した。 今年度の事業計画案の審議に入ったので挙手を…

事実婚と高校無償化

娘が進路を決めたタイミングで、同じように公立高校に子どもを通わせることになった知り合いAさんの相談に乗る。 相談とは「自分の家庭は高校無償化の制度の適用を受けるか?」ということである。 公立高校については授業料相当のお金(高等学校等就学支援金…

映画「BLUE GIANT」について

映画「BLUE GIANT」について。 www.youtube.com 単行本が出るのがもっとも待ち遠しい作品の一つである。 仙台の男子高校生・宮本大が独学でジャズ——サックスを始めて、上京し、仲間と組み、やがて世界に向かって挑戦していく姿を描いた物語である。 この作品…

監督に必要なことは「めちゃくちゃ気を遣えること」?

NHK番組「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を視る。 togetter.com ——殺陣=段取りじゃなくて、殺し合いをやってほしい。 ——意外性を見せてほしい。 …という庵野秀明の注文。まあ、そういう注文もわかる。 わかるんだ…

「隠れ教育費」を3つの部分に分けてその解消を考える

前の記事を書いたことがきっかけとなり、2023年4月5日に「公立小中高の〝隠れ教育費〟を考える」というテーマで「ABEMA Prime」にオンラインで出演した。 www.youtube.com ぼくとして話したことの振り返りはツイッターで行った。 #アベプラ 「隠れ教育費」問…

公立高校でこんなにお金がかかるのはおかしくないか

娘が入学する高校の説明会に行った。 お金を用意しろと言われて「けっこうかかるもんだな」と当惑した。 もちろん、それらは事前情報をしっかり読みこんでいれば、身構えることができたものだろうけど。 まず3月末までに8万9000円振り込めと言われた。 入学…

娘が中学校を卒業し、新しい進路に向かうけども

娘が中学校を卒業し、新しい進路に向かう。 中1が終わったときに次のような記事を書いたが、そこからここまでこられたこと自体が奇跡のようだ。2022年の1年間で自殺をした小中高生は512人と過去最悪になったという。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com それに…

本くらいの分量を与えられなければ自分の説は人に示せない

ひとの考えは会議で変わるだろうか。 間違いなく変わる。…ことがある。 いつも変わるとは限らないが、変わることはあるよね。 数分の発言であっても「ああ、なるほどそうだったのか」と思って、反対が賛成になったり、賛成が反対になったりする。 しかしであ…

「変わる徳川家康像」の赤旗記事

今日付の「しんぶん赤旗」に「変わる徳川家康像 『大河』考証者らの最新研究」という記事(清水博記者)が出ていた。ぼくら、いやぼくが知っている古い徳川家康像がどう刷新されているかという研究について、市民レベルにかみくだいた解説本を要領よく紹介し…

「どうする家康」を視る

NHKの大河ドラマ「どうする家康」を視る。 www.youtube.com それはお前が三河出身者だからだろう、と決めつける輩もいるだろうが、そんなことはない。そんなことはない、と思うんだがなあ。どうだろう。 子どもの頃、「愛知の三英傑」などとい言われる3人の…

『ブルーピリオド』に影響されて個展を観にいって「すずめの戸締まり」も観る

知り合いに、絵の個展に誘われた。 本当にその日は用事があったので行けなかったが、後日一人で見にいった。 個展なぞというものに行ったことはない。だから通常では「行きません」と言うか、いろいろ口実をつけて行かないはずのものである。 なぜ行ったのか…

「日本とコリア」に福岡市長選について書きました

日本コリア協会・福岡の機関紙「日本とコリア」第265号(2022年11月1日号)に「ここがロドスだ! ここで跳べ!」という一文を寄稿しました。福岡市長選挙でどのような「合成力」によって市民と野党の共闘が実現したのかを間近で「観察」していた者として書き…

学校における「国葬」半旗の掲揚と「表現の自由」

前にも書いたとおり、ぼくは自分の娘が通う中学校と、市教育委員会に対して安倍元首相の「国葬」にあたって半旗の掲揚など弔意の事実上の強制をしないように請願を出した。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com そうして「国葬」の日は、半旗の掲揚をはじめ、弔意…

松竹梅を買い占めた父

お盆で帰省したとき、父(84歳)の昔話を意識的に聞くようにしている。というか、録音している。 父の語りは「植木・盆栽の卸の成功譚」という体裁を持っていて、めっぽう面白い。アジテーターなのであろう。 十八番は、「1988年末の松竹梅の相場を立てた」…

「社会科学の文献」とは

ぼくのこのツイートについての雑感を書く。 「社会科学の文献」である以上、何者であろうと当該文献を徹底して自由に討議し、タブーなくラディカルに批判することを認める義務を持つ。マルクスも「この先に踏み入るのをためらう気持ちはこの場でぜんぶ捨てろ…