2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』

宮城で思い出した本書 宮城県塩竈市・多賀城市に被災地支援に行ったとき、ぼくのサイトの「ファン」だという人(まあまあそんなに騒ぐんじゃないよ君たち…)に会った。その人は保育園に子どもを通わせているので、地震・津波が起きた当日がどんな様子だった…

安斎育郎『増補改訂版 家族で語る食卓の放射能汚染』

学習会でとまどう人びと 福島原発の事故以来、左翼組織の中で、なぜかドシロウトのぼくが原発や放射線被害の問題の学習会のチューターをつとめることがある。もちろん専門家ではないので問題の骨格を知るための入門という位置づけだ。 その学習会の場で、ICR…

「コクリコ坂から」感想

お盆で帰省したのをこれ幸いと、娘を寝かせ、母に添い寝を頼み夫婦で「コクリコ坂から」を観に、車で1時間半ほどの深夜ドライブをしてオールナイト映画館にたどりつく。 終わった後、帰りの車の中で夫婦で感想交流をした。 もうね、メル大好き 「コクリコ坂…

「平成百姓サムライ」

ナチュラルアート・佐々木慧・田中雅紀「平成百姓サムライ」 http://www.naturalart.co.jp/business/manga.html 農業や農家を描いた漫画というのはあるけども、農業をビジネスととらえた漫画ってないものだろうかと思っていたら、ネット上にあった。農業のも…

週刊プレイボーイに『銀の匙』の書評を書きました

週刊プレイボーイの2011年8月1日号「この漫画がパネェ!!」に荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』(小学館)の書評を書きました。 荒川自身の酪農・農業高校体験が反映されている作品です。彼女の『百姓貴族』(新書館)とかぶるテーマですが、そこに「目的を…

シバキヨ『明日、夫が逮捕されちゃう!?』

この本ではじめて、行政書士と弁護士の間に「縄張り争い」があるということを知った。 この本の魅力はどこにあるのか この本は実話系の漫画だ。行政書士である主人公(シバタ・タカヒロ)が大阪弁護士会から「非弁活動」(弁護士でもないのに弁護士にあたる…

民医連新聞で『宇宙兄弟』の書評を書きました

2011年8月1日付の「民医連新聞」の「マンガ評論家紙屋さんの『この一冊を読んでみた』」のコーナーで、小山宙哉『宇宙兄弟』(講談社)の書評を書きました。 『宇宙兄弟』の魅力のコアにあるものっていうのは、『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーが何とな…

『この世界の片隅に』ドラマ化への不安

きょう(2011年8月3日)付の「しんぶん赤旗」にこうの史代のインタビューが載っていた。被災地で感じたことなどをしゃべっている。 最近、『この世界の片隅に』は新装され、書店に並んでいる。5日にテレビドラマとして日テレ系で放映される(すず役は北川…

玉置勉強『恋人プレイ』

玉置勉強の『恋人プレイ』では「秘密の自分をさらけだしている瞬間」とか「知らない自分が顔を出す」という装置としてSMが使われているのであって、『ナナとカオル』のようにSMそのものをつきつめた漫画ではない。 『恋人プレイ』は文系オタクのような風…

週刊プレイボーイに『ナナとカオル』の書評を書きました

週刊プレイボーイの2011年7月18日号「この漫画がパネェ!!」に甘詰留太『ナナとカオル』(白泉社)の書評を書きました。 SMというものに興味がない…というぼく自身の立場を冒頭に宣言しつつ、「SM無関心層」から見てこの漫画が一体どう読めるかを書き…