2023-01-01から1年間の記事一覧

Zip Zap Zopってなんだ?

今日付の「しんぶん赤旗」を読んでいたら、アメリカの俳優・脚本家組合がストライキをしている記事があった。 それに添えられている写真(記事は赤旗編集部のもので、おそらくこの写真だけロイター配信)で、参加者が「I bet Bob Iger doesn’t even know how…

松本清張『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』

リモート読書会は松本清張『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』である。「或る『小倉日記』伝」だけではなく、それに収められた短編全体を読むことになった。 或る「小倉日記」伝 傑作短編集1 (新潮文庫) 作者:清張, 松本 新潮社 Amazon 恥ずかしながら…

映画「君たちはどう生きるか」の冒頭シーンは空襲か

宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」の冒頭シーンについて、ほとんどの論評や感想はあれを空襲として捉えているのだが、一部に「空襲ではない」という意見がある。ぼくの感想に対してもそのようなコメントをしている人がいる。 ぼくは現時点で確言できるよう…

映画「君たちはどう生きるか」を評価する

2回見た。1回目は一人で。2回目は家族で。 これは間違いなく、宮崎駿の最後の作品であろう。と予感した。 「まーた、これで最後最後詐欺だろ」という声も聞こえてきて、実際にそうかもしれないけど、そこが問題なのではない。 現在82歳となった宮崎駿。彼…

なるほどですね

本当にしょうもない雑談・雑感だが。 福岡に来て17年が過ぎた。実家の愛知(三河地方)に大学に入るまでの18年いたから、いよいよ自分が人生で一番長く時間を過ごした土地ということになりそうである。 昨日このようなツイートを見た。 そういや、クライアン…

(一部訂正)石井拓児「子育て・若者支援と高学費・奨学金を変える」

(日本共産党の政策について今年6月に発表された政策を加え、訂正しました。ご指摘ありがとうございます) 「前衛」2023年8月号の特集「『異次元の少子化対策』を問う」、石井拓児(名古屋大学教授)インタビュー「子育て・若者支援と高学費・奨学金を変える…

娘からもらった『私たちが拓く日本の未来』を読む

高校生になった娘からいきなり総務省・文部科学省発行の『私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために』という副教材をもらった。教師から「親に渡すように言われた」というのである。 https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/new…

高校のPTAの加入の2条件を提示して交渉した結果はどうだったか

(この記事は、はてなブログ×codoc連携サービスのプロモーションのため、はてなからの依頼を受けて投稿しています。) 娘が公立高校に入学し、そこにあるPTAの総会で、ぼくは発言し、2つの条件を示して、もしそれに応じてくれるのであれば参加しますよ、と…

地方や民間の取り組みは国の政治を変える上でどんな役割を果たすのか

地方議会、地方自治体、あるいは民間の一つひとつの取り組みは、国の政治を変える上で、どんな役割を果たすのか。 そんなことを考える上で、同性婚をめぐる判決について、6月14日付「しんぶん赤旗」に掲載された鈴木賢・明治大学法学部教授インタビューは興…

及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』

そうだなあ、高校の教科書程度しか知識のない人間=ぼくが読んだのだが、読みやすいとはなかなか言えない本であった。 関東軍――満洲支配への独走と崩壊 (中公新書 2754) 作者:及川 琢英 中央公論新社 Amazon その原因は、人名や役職名、組織名などが多く、そ…

「ボクらはみんな生きてゆく!」第一章が完結

「ビッグコミックスペリオール」に連載されていたアキヤマヒデキ「ボクらはみんな生きてゆく!」が今号(2023年6月23日号)で最終話になってしまった。悲しい。 同作は都会から田舎に戻ってきた作者がまず狩猟をはじめ自然を相手にする様々な「ビジネス」で…

木村きこり「その恋は、嘘。」

「スペリオール」6月23日号掲載の木村きこり「その恋は、嘘。」を興味深く読む。 ビッグコミックスペリオール 2023年13号(2023年6月9日発売) [雑誌] 作者:ビッグコミックスペリオール編集部,押見修造,久部緑郎,河合単,浅野いにお,乃木坂太郎,金城宗幸,平本…

オノ・ナツメ『僕らが恋をしたのは』

「大将」「キザ」「教授」「ドク」というあだ名の、それぞれに背景のある4人の「じじい」。人里離れた山奥の一角の土地の、独立した家屋とキャンピングカーにポツリポツリと集まってきて暮らしている。4人が顔を全て揃わせるのは週2回程度。それぞれ独立…

佐々木ランディ・矢野恵司『沈没船はタイムカプセル』

「たくさんのふしぎ」2023年7月号として届いた佐々木ランディ・矢野恵司『沈没船はタイムカプセル』を読む。 沈没船はタイムカプセル(たくさんのふしぎ2023年7月号) 作者:佐々木ランディ,矢野恵司 福音館書店 Amazon 娘が熱心に読んでいた。 本筋と関係ない…

坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』

坂本貴志『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社新書)はなかなか刺激的な本である。政治的に見れば日本の高齢者政策の根本的な問題点を指摘したくなることもあるが、そうした「大きな視点」をひとまず脇において、読んでみる。 ほん…

我妻ひかり『パコちゃん』1

30歳。カフェでバイトをしている独身女性・「パコ」が主人公である。 パコは妻子持ちのおっさんと不倫をしている。そして捨てられる。 寂しさのあまり、行きつけのコンビニでバイトしている10近く下の男にナンパされ、セックスをし、付き合うようになる。 パ…

幹部たちの“知的水準の衰弱”

休みで、いろんな本を読んでいるが、読み返すものもある。 不破哲三『スターリン秘史』もその一つである。 スターリン秘史―巨悪の成立と展開〈5〉大戦下の覇権主義(下) 作者:不破 哲三 新日本出版社 Amazon 不破はこの著作の中で、スターリンの問題点の根源…

桑野隆『生きることととしてのダイアローグ バフチン対話思想のエッセンス』

村西てんが『教え子がAV女優、監督はボク。』を読んでいたら、冒頭にバフチンが出てきた。 村西てんが『教え子がAV女優、監督はボク。』1、小学館、p.11 この作品は、タイトルの「教え子がAV女優、監督はボク」という最も反倫理的と思われる状況に向かって…

2年たった英語の勉強はどうなったのか

「英語を勉強している」という記事を書いて2年過ぎた。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 一応続いている。 その間に、何人かの方から「こういう勉強をするといいよ」ということを教えてもらったりした。中にはご自身の著作をくれた方もいた。恐縮である。 2…

長い休み

長い休みに入った。 休み明けの日は一応決まっているけども、本当にその日に休みが明けるのかどうかはよくわからない。これまでの人生では、そんなことはなかったのである。 休んでいる今、思い出し、読み返すのは大西巨人『神聖喜劇』だった。 神聖喜劇〈第…

御徒町鳩『男友達が激甘カレシになりました』

御徒町鳩『男友達が激甘カレシになりました』がいつまでたっても電子にならないもんだから、とうとう書籍で買っちゃったぜ。 男友達が激甘カレシになりました (Only Lips comicsめちゃコミックオリジナル) 作者:御徒町鳩 大誠社 Amazon 内容はタイトルが語っ…

PTAに入って活動したいと思える2条件を総会で述べた

娘が通うことになった公立高校のPTAに、現在ぼくは加入していない。 にもかかわらず、PTA総会に出かけ、「加入していないですが、1年生の保護者です。参加してもよろしいですか」と受付で声をかけて参加した。 今年度の事業計画案の審議に入ったので挙手を…

大江健三郎『芽むしり仔撃ち』

中学3年の終わり頃、高校の下見に遠くの街に電車で出かけた。遠くの高校に行くかもしれなかったのはぼくともう一人の生徒だったので2人で出かけた。親友というわけではないが、生徒会の役員を一緒にやる程度には友達だった。 その街はぼくの中学のあった田…

事実婚と高校無償化

娘が進路を決めたタイミングで、同じように公立高校に子どもを通わせることになった知り合いAさんの相談に乗る。 相談とは「自分の家庭は高校無償化の制度の適用を受けるか?」ということである。 公立高校については授業料相当のお金(高等学校等就学支援金…

映画「BLUE GIANT」について

映画「BLUE GIANT」について。 www.youtube.com 単行本が出るのがもっとも待ち遠しい作品の一つである。 仙台の男子高校生・宮本大が独学でジャズ——サックスを始めて、上京し、仲間と組み、やがて世界に向かって挑戦していく姿を描いた物語である。 この作品…

「自己責任の教科書のような言葉が出てきて…」

首都圏青年ユニオンニュースレター262(2023年2月28日)号を読む。 この号もまた面白かったし、どの記事も興味深かったが、特に2つ。 一つは「スーパーのレジへのイス設置を求める店舗前行動 Vol.2」。 スーパーを展開する企業ベイシアの店(埼玉県深谷市)…

監督に必要なことは「めちゃくちゃ気を遣えること」?

NHK番組「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を視る。 togetter.com ——殺陣=段取りじゃなくて、殺し合いをやってほしい。 ——意外性を見せてほしい。 …という庵野秀明の注文。まあ、そういう注文もわかる。 わかるんだ…

近藤ようこ『高丘親王航海記』

「今こういうものが読みたい」と体が欲していたのだろう。染み透るように読めた。もちろん、発売当初に買って読み、楽しんで読んだのだが、この時期に再読して面白さが格別だった。 近藤ようこ『高丘親王航海記』は、澁澤龍彦の同名小説を原作にしたマンガで…

「隠れ教育費」を3つの部分に分けてその解消を考える

前の記事を書いたことがきっかけとなり、2023年4月5日に「公立小中高の〝隠れ教育費〟を考える」というテーマで「ABEMA Prime」にオンラインで出演した。 www.youtube.com ぼくとして話したことの振り返りはツイッターで行った。 #アベプラ 「隠れ教育費」問…

公立高校でこんなにお金がかかるのはおかしくないか

娘が入学する高校の説明会に行った。 お金を用意しろと言われて「けっこうかかるもんだな」と当惑した。 もちろん、それらは事前情報をしっかり読みこんでいれば、身構えることができたものだろうけど。 まず3月末までに8万9000円振り込めと言われた。 入学…