アニメでハマったが、きっとマンガは面白くあるまい、というのがぼくの予想であったが、あにはからんやなかなかイケた。
いやこれ、自分ではもうよくわからなくなっているんだけど、明らかにアニメのアンソロジーを読むような気持ちで読んだせいかもしれない。アニメ前提の面白さ、ということだ。
アニメはこのコミックの話の流れを大局おさえつつ独自の世界をつくったんだなとわかる。入部で唯がしぶる、学園祭で澪がアガる、さわちゃんが昔すごい恰好をしていたとかそういうのはだいだい押さえられている。それを点として線で結ぶのはアニメ独自の世界、というような感じ。
マンガの方のギャグは、
「唯はどれ作ったんだ?」
「このケーキ!」
「うお すげーっ!!」
「…の上にいちご乗せました」
「…私の言った『すげー!!』を返せ」
とか
「もうギター持てない…」
「はやっ!! まだちょっとしか弾いてないのに…」
「だってこのギター重いんだもーん!!」
「…だから軽いやつ買えって言ったのに…」
「誰だ このギター買うって言ったの!!」
「お前だ」
みたいな、オチで短く斬りつける感じが好き。サンドウィッチマンがやるようなコントの一つひとつの細かいネタみたい。って言いすぎか。それくらい楽しんで見られたんだよ。
比較してもしょうがないけど、たとえば安部真弘『侵略!イカ娘』はあまり好きになれないノリだ。4コマの特性もあると思うけど、かきふらいの『けいおん!』が短く斬りつけるように進行するのに、『イカ娘』はイカ娘をドジらせようとする作者の色が濃く感じられて仕方がないのである。まあまだ1巻しか読んでないけどさ。