2011-01-01から1年間の記事一覧

大島永遠『まんがかぞく』

大島永遠『まんがかぞく』(双葉社)は、面白すぎた。 サブタイトルに「一家4人全員漫画家」とある。 そして大島永遠のこの絵柄。 こうくれば、誰が見ても、陳腐な設定のドタバタコメディしか思い浮かばない。 父がアイデア、キャラづくり、母が下描き、姉…

オカンはデマを真に受けるかなあ?

なぜ、オカンはデマを真に受けるのだろう - kobeniの日記 すなわち、オカン世代は今回の震災でデマにおどらされやすかったというのがこの記事を書いたブロガー(kobeni)の実感であり、その原因はオカン世代は「国家・政治家を信用せず、自分の信じられるネ…

井戸が涸れたのを見て救われた老人の話を考える

【東日本大震災】「津波のときは井戸を見ろ」 先人の教えで津波避け助かる - MSN産経ニュース 「津波の時は井戸に気をつけろ」。岩手県大槌町栄町の佐藤綾子さん(59)は二十数年前に近所の高齢者から聞いたこんな教えを覚えていて、津波から逃げ延びた。…

俺が「痛いニュース」に晒されてる件

「サイゾー」の「マンガ最大のタブー『ワンピース』──誰も語らないヒットの真相」という特集記事でコメントしました。 http://www.cyzo.com/2011/03/post_6804.html 「え、前にも『サイゾー』でそんなお題で載ってなかったっけ?」というお前。そんなに俺の…

「週刊アスキー」で「私のハマった3冊」を書きました

「週刊アスキー」823号(3/1発売)に「私のハマった3冊」を書きました。「異文化観察」のすぐれた3冊のマンガを紹介しました。 「週刊アスキー」のウェブ版のほうで公開されるようになりましたので、下記URLでお読みいただくことができます。http://weekly…

こういう人のもとでは働きたくないなあ

2月22日に福岡国際会議場で新卒者むけの「会社合同説明会」があって、福岡市の高島宗一郎市長が、福岡市役所への就職希望者にむけて講演をした。なぜかそれを聞くハメになり、聞いた。*1 高島市長はこの10月に自民・公明の応援で当選した、KBCのアナウンサ…

「ザ・スニーカー」に『百日紅』のレビューを書きました

ライトノベル誌「ザ・スニーカー」2011年4月号に杉浦日向子の『百日紅』のレビューを書きました。 すでに報道されているのでご存知とは思いますが、「ザ・スニーカー」が休刊となります。というわけで、ぼくの連載も最後となります。 最後なので、「新作」…

久住昌之・水沢悦子『花のズボラ飯』

ぼくもつれあいもジャンクフードが大好きな人間だ。ポテトチップスとか喜んで食べる。娘さえ生まれていなければ、そういう「食事」が食卓を満たしていたであろうことは想像に難くない。娘が独立して、ぼくら夫婦だけに戻ったら食生活がはなはだ心配だ。 さて…

「カレー無料法」の馬鹿馬鹿しさは比喩の馬鹿馬鹿しさだ

もしも「カレー無料法」ができたら - モジログ あまりの馬鹿馬鹿しさにソーシャルブックマークでコメントしてしまったが、さらに驚くのはこの劣悪きわまる比喩をわかりやすいだの素晴らしいだのと手放しで賞賛している人がけっこういることだ。 そりゃ、穴だ…

子どもを1人で遊ばせるのは何歳からか AERA11.2.21感想

ちきりんを批判する 電車を待つために駅の本屋に寄って「AERA」2011.2.21を読んだのだが、けっこう読み出があった。 もともとは「連合赤軍」事件の中心人物で、先頃死んだ永田洋子の「ラブレター」にまつわる話が面白そうなので手にとった。結局、離婚をした…

二宮ひかる『アイであそぶ。 二宮ひかる作品集』

「あいつ頼めば誰とでもやるぜ?」という「娼婦としての同級生」はどこの中学や高校でも1つくらい「噂」としてあるもんだけど、まあだいたいは「噂」にすぎない。誰かをおとしめたいという意図で始まった妄言が、男子中高生の欲望に乗って自由に飛翔してし…

唐鎌直義「日本の社会保障の後進性と打開への道」

「前衛」2011年3月号に載った唐鎌直義「日本の社会保障の後進性と打開への道」は、認識を新たにする点がいくつもあった。認識を新たにするような文章にはそうそう出会えるものではない。 ぼくが一番うなったのは、日本の生活保護制度の額面上の「充実」ぶり…

ガジェット通信に寄稿しました

安藤健二『パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)』の書評をガジェット通信に寄稿しました。http://getnews.jp/archives/94882 1年前にブログに移転してからSMB数が一番多い記事となりました。「炎上」した『ONE PIECE』評の記事を抜き去りました。 …

『地域再生の罠』『地域再生の条件』『地域再生の経済学』

実家で父の車に乗っていたら、父の知りあいの話になった。 Sという大企業の下請をやっている中小企業のオヤジ・Bさんの話だったが、顔が薬品でボロボロだとか。 Bさんは、S社に「Bさん、今日の緊急会議に出られるかな」といつも呼ばれる。その会議は必…

若菜光流『プレシャス・ラブ』

蔵書をふやさずエロを読むには… 女性向けのエロコミに興味がある。 いわゆるレディコミを一部にふくめるが、どちらかといえば、ティーンズラブといわれる、もう少し若年層に向けてのものだ。 興味があるけども、当たり外れが大きすぎる。 1冊が4〜500円…

「マルクスブーム」が生んだもの、生んでないもの

掲題の文章を、雑誌「季論21」(2011年冬号)に書きました。http://www.kiron21.org/ http://www.kiron21.org/10gou%20mokuji.pdf 以前書いた「マルクスブームは来ているか?」をタネにしつつも、http://bisista.blogto.jp/archives/1214685.html http://www…

安藤健二『パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)』

パチンコ屋の前を通り過ぎると確かにやたらアニメとのタイアップが目に入り、気になっていた。だけど一番気になり出したのは、やっぱりテレビCMでこのタイアップが激増したことだ。参考:ヲチモノ- アニメのパチンコ・スロットがどれだけあるのか集めてみ…

少年の殺人は減少

高齢者の殺人が大幅増加 22年、認知件数は戦後最少 (産経新聞) - Yahoo!ニュース 殺人全体は戦後最少を更新したのに、高齢者の殺人は22%増である。といっても絶対数は32件ふえたというものだが。 ちなみに、少年(19歳以下)の殺人はどうなのか。 報道…

河原和音『青空エール』

『青空エール』は実によくできたマンガである。 それだけにこのマンガが現実に与える影響の恐ろしさといったら無い。 このマンガのテーマは、女子高生の主人公・小野つばさが、完全に無理と思われていた目標――人はそれを「夢」と呼ぶわけだが――に向かって、…