2010-01-01から1年間の記事一覧

書棚整理の原則についてのメモ

コメント欄でぼくの書籍整理について質問があったのですが、自分でも今考えていることがあるのでメモ的に。 マンガと活字本がふえすぎて困っています。といってもビブリオマニアからすれば笑うべき水準で、現在の自分の住居における同居人(つれあい)のキャ…

「ザ・スニーカー」10年6月号に志村貴子『放浪息子』のレビューを載せました

「ザ・スニーカー」(角川書店)に「コミック前のめり!」というマンガレビューを連載していますが、今回、志村貴子の『放浪息子』について書きました。 人にマンガをすすめるときは、その人の趣味嗜好に合わせて紹介するわけですが、何の前提もなく、「お前…

東浩紀×茂木健一郎「分数も年号も覚える必要ありません」

本がない大学生活というものに驚かざるをえないのだが、そこに異論を差し挟む者もいよう。「写真見るとパソコンがあるじゃん。ネットがあれば、もう本なんていらないわけよ」 この議論を地でいくのが「中央公論」2010年5月号に載った東浩紀×茂木健一郎対談…

「大学生協の新生活用品カタログ2010」

つれあいが大学生協の「新生活用品カタログ」をもらってきたのだが、そこで紹介されている「おじゃまします。センパイ!」のコーナーが浮かび上がらせる現代大学生の部屋事情に戦慄する。ほぼ同じものがウェブでも公開されている。 http://shinseikatsu.ne.j…

羽海野チカ『3月のライオン』

漫棚通信(すいませんが敬称を略して)が本ブログのコメント欄で羽海野チカ『3月のライオン』について言及していた。 ぼくが、スポーツのエトスは勝負であり、そのエトスを「敗北」という側面から見事に描いたのが『ちはやふる』だという記事を書いたさいに…

北岡伸一「共同歴史研究 『侵略』認め、日中攻守逆転」

もう一つ面白かった論説は、18日付の北岡伸一・東大教授の「共同歴史研究 『侵略』認め、日中攻守逆転」だった。北岡は日中首脳会談で合意されてスタートした日中歴史共同研究の中心的人物である。 北岡の議論の中心点は、侵略とか南京虐殺とかを否定するん…

冨沢暉「普天間移設 軍事的意義の周知徹底」

4月になって仕事内容が大幅に変わった。 その結果、多くの新聞に目を通す機会が増えたのであるが、それだけ聞くと完全に窓際族である。実際にそうなのかどうなのかという詮索はしないでおいてほしいのだが、読売新聞を読む機会が格段に増えた。 この新聞の…

末次由紀『ちはやふる』

引っ越し第一弾の記事なので、やっぱり大物マンガをとりあげたい。まずは末次由紀の『ちはやふる』について書こうではないか。 スポーツのエトス スポーツでも将棋でも仕事でも何でもよい。「勝負」をして「負けた」とき、あなたはどうするか。敗北感と向き…

雁須磨子『いばら・ら・ららばい』

倉庫作業という肉体労働に従事するバイトの茨田あいは、空気が読めない。美人でスタイルもいいだけに、そのギャップがひとを驚かせる。不倫で居られなくなった前の職場(デパート)では、「肉食恐竜」とか「レックス」などと同僚の女子社員たちに陰口を叩か…

雁須磨子『いばら・ら・ららばい』

倉庫作業という肉体労働に従事するバイトの茨田あいは、空気が読めない。美人でスタイルもいいだけに、そのギャップがひとを驚かせる。不倫で居られなくなった前の職場(デパート)では、「肉食恐竜」とか「レックス」などと同僚の女子社員たちに陰口を叩か…

秋山はる『オクターヴ』vol.4

宮下雪乃が新たに担当することになった、同い年の女性タレント「しおり」の造形がすばらしい。 オクターヴ(4) (アフタヌーンコミックス) 作者:秋山はる 講談社 Amazon 本作は元アイドルだった宮下雪乃が再度上京し、やはり元歌手だった作曲家・岩下節子と…

一条ゆかり『プライド』12巻

※ネタバレがあります。 プライド 12 (クイーンズコミックスDIGITAL) 作者:一条ゆかり 集英社 Amazon 12巻にて完結。 この終わり方はねえだろ。 有名歌手の娘として明るさ、ポジティブさ、まっすぐな性格をもつ史緒と、貧困の中に生まれ育ち、暗さ、ネガテ…

青桐ナツ『flat』

従弟である幼児の秋(あっくん)を、しばしば家で面倒をみることになった高校生・平介の物語である。 flat 1巻 (コミックアヴァルス) 作者:青桐ナツ マッグガーデン Amazon 平介のようになりたい、と思う。 3巻の裏表紙には「超マイペースな高校生」と書か…

きづきあきら+サトウナンキ 『セックスなんか興味ない』

セックスにまつわる9つのエピソードが収録されている。1巻ってことはさらに出るんだろうな。期待。同じ作者の『うそつきパラドクス』(白泉社)も非常によかった。きづき+サトウがセックスの話を描こうとしている時期なんだろうか。そうだとすると嬉しい…

南Q太『ぼくの家族』

これは南Q太の新境地と言ってもいいかもしれない。 南は私生活において結婚・出産・離婚を経て、作風が少し変わってきていた。その違和感について、ぼくは南の『地下鉄の風に吹かれて』の書評で次のように書いた。 〈南は、ふつうの人は捨象したり、省略し…

施川ユウキ『え!? 絵が下手なのに漫画家に?』

『サナギさん』で知られる施川ユウキの「マイまんが道」。と、もろもろの小作品群。 え!? 絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオン・コミックス) 作者:施川ユウキ 秋田書店 Amazon いろいろあるんだけど、ファーストキス体験するシーンがいいよ。 施…