「大学生協の新生活用品カタログ2010」

 つれあいが大学生協の「新生活用品カタログ」をもらってきたのだが、そこで紹介されている「おじゃまします。センパイ!」のコーナーが浮かび上がらせる現代大学生の部屋事情に戦慄する。ほぼ同じものがウェブでも公開されている。
http://shinseikatsu.ne.jp/senpai.html


 ひとことで言えば、本が全然ないのである。なんだこりゃ。
 2事例目の学生とか、メイン写真にはどこにも本がないようにさえ見える。いや……メイン写真には写っていないが、机の横にどうもカラーボックスがあるようで、申し訳程度にあるだけだ。「テーブルもありますが、テスト前や集中したいときはデスクで勉強します」って一体何を勉強するというのか。
 まあ、理系はしょうがないかもしれん。2事例目の男子学生は工学部だからな。

 納得いかないのが文系学生でさえほとんど大差ないという有様だということだ。1事例目の女子学生は「教育文化学部」だというのに、本がまるでない。よくみると、縮尺のよくわからないロフトの写真の奧の方に、ちょろっとあるだけ。しかも「参考書、趣味の本」だというではないか。

 4事例目では書籍っぽいものは、窓においてある分だけ。

 部屋の間取り図が載せてあって、写ってないところはキッチンとかバスなので、そっちの方にあるとは考えにくい。意表をついて「ベッドの下にあるんすよ!」ということかもしれんが常識的に考えてそれはないだろ。

 しかもさらに恐るべきは、部屋全体の生活感のなさである。
 3事例目の女子学生が一番マシで、多少の本もあるし、ここには一定の生活感がある。これが限度だろう。
 6事例目鹿児島大学1年)の女子学生の部屋は、写真の撮り方も災い(幸い)しているのだろうが、生活臭ゼロである(上記写真)。綾波レイの部屋はここですか?


 学生の生活感のある部屋っていうのはさあ、こういう部屋のことを言うんだろ?(「中央公論」2010年5月号p.12〜13) 

 ちなみにこれは直木賞作家の車谷長吉の部屋だから全然学生じゃないんだけど、学生時代のぼくの部屋そのものである。ティッシュの捨て具合とかw (肝心の本が全然ないんだけど)