テレビにインタビューされる機会があり、「何を読んでいるんですか?」と言われ、ちょうど電子書籍で『ポプテピピック』を読んでいる最中だった。
「それはどんなマンガですか?」と問われ、返答に窮した。
喘ぐようにやっと絞り出した一言が「……シュールなギャグの4コマです」。
くわー、情けねえ。
何が「マンガ評論家」だ。
しかも、小5の娘とセリフの掛け合いをやって遊んでいますと言ったもんだから「じゃあ言ってみてください」と言われ、悩んだ挙句、
「もしもし ポリスメン?」……。
伝わんねえ。全然伝わんねえよ。
その前の3コマのセリフも言おうと思ったけど、いっそう訳わかんねえ。
そのあと、「はいクソー」「二度とやらんわ こんなクソゲー」のやつも紹介して、俺が「はいクソー」というだけで、後の3コマのセリフと所作を娘がやるのが、面白くてたまらんと思っているんだが、そんなニッチな親バカ事情、心底どうでもいいわと全視聴者が思うだろうなと心が震えた。
『ポプテピピック』の紹介は難しい。
ハイコンテクストな笑いなのだ。
本質を一言で言わなくてもいい。
一般の人に、面白さの一端がわかるように伝えるにはどうしたらいいかということだ。
あなたも『ポプテピピック』の短い紹介を考えてみよう。
結句ぼくが考えたのは、
主人公がサンリオのキャラクターみたいなかわいい顔をしているんだけど、その表情が全く変わらずに、かわいい絵柄のまま、グロいことを言ったり、野蛮なことを言ったりする
というものだ。
どうかな。
ダメか。