『このマンガがすごい! 2021』のアンケートに答え、同誌にぼくの回答が掲載されています。
あと、中でいくつかコメントを採用していただきました。
今年はぼくが5番目にいいなと思っていたマンガ作品が、オンナ編の1位に入りました。
毎年感じて、そして時々言っているジレンマですが、自分が選んだマンガが上位に入っているとなんとなくうれしいものです。しかし、全部ランキング内だとそれはそれで「みんなが知らないマンガを紹介できなかった」という悔しさが残ります。
今回のランキングの中、知らなかった作品で読んでみて面白かったのは野原広子『消えたママ友』でした。
この作品が非常に面白いという前提で、なのですが、アマゾンについているトップコメントも読み入ってしまいました。
ママ友の価値って結局「情報の共有」が大部分ではないでしょうか。
乳児から幼稚園、小学校と、第一子は経験が無いため
情報が欲しくなる気持ちはわかります。しかし、そんな、学校などの集団生活上の情報などたかが知れています、
薄い情報です。
全部担任の先生に聞けば解決します。そんな薄い情報のために
「先輩ママと仲良くせねば…」
とか、あちこちで顔色を伺って気をつかうことなど無駄の一言です。馬鹿の極み。…
この作品の結論と主軸にある物語は、ママ友ではなくむしろ家族の物語ですし、ママ友についても表面的な人間関係からさらに深い人間関係への進化を描いているのですが、印象としては途中にあるママ友をめぐる複雑なゴタゴタが強く残ってしまいます。
このレビュアーが熱く「とにかく人間関係腹6分目」を説き、友達を数多く作るのは愚かしいことだと主張し、それを本書の感想の中心に置き、それがまた661人*1もの評価を得てコメントのトップに君臨するのはまことに興味深いものでした。
*1:2020年12月18日現在。