昨日書いたことのうちの、二番目のこと。
二つ目は、恋愛対象として。もっと言えば性的な対象として。
ぼくが昭明の視点でスミカを性的に見るという視点について書いたわけだけど、この作品の4巻には、スミカの先輩で「天羽先輩」が、次のようにスミカを挑発するくだりがある。
天羽先輩は、昭明と「恋人」になりたいのかとスミカに問われ「セックスができればそれでいいから」と思わせぶりに言った後、
あんなに魅力的な男性めったにいないでしょ
…いい身体してそーよね
私 前腕ががっちりしている人が好きなの
抱かれたくない?
そうそう 手が大きいのに動きは繊細で
近づくといい香りするわよね
あの目つきも好きだな
冷たくて逆らえない感じ
あのひと
ぜったいエロいよ
と舌なめずりせんばかりに告げる。
スミカは動揺せずに切り返すが、家に帰ってから天羽先輩の言ったことが効いてきて、昭明を性的に見ることに悩まされてしまうのである。
官能小説とかにそういう言い回しがあるのかどうか管見にして知らないのだが、
手が大きいのに動きは繊細で
に、ぼく自身は、どうにもやられてしまった。
え……「手」?
手が大きい?
大きいのに繊細?
それがエロい?
意表に出られたわけである。
そんなエロさがあるんだ、としみじみ噛み締めてしまい、手が大きいのに繊細、それだとどんなエロさがあるというんだ、と、スミカじゃねーけど、ずっとモヤモヤ想像してしまったのである。