「星灯」8号に「『健全なセックスワーク』はあり得るのか」を寄稿しました

 同人文芸誌「星灯」8号(2020.6)に「『健全なセックスワーク』はあり得るのか」を寄稿しました。

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 章タイトルは以下の通りです。

 

  • 性風俗業者を救うべきか?
  • 問題の整理パターン
  • 中小企業の「搾取」にたとえてみる
  • 搾取・性的搾取は犯罪か
  • 蟹工船』と明るいオフィスは同じ「搾取」の現場
  • エンゲルスの売春論、マルクスの「公正な賃金」論
  • パチンコは無くすべきか
  • 買売春自体が抱える問題はあるのか?
  • 買売春が抱える2つの問題
  • セックスワーク」の社会的意義
  • 「健全なセックスワーク」を目指す
  • 性風俗産業への見方を超えて現実的に取り組むべきこと

 

 問題意識を端的に言えば、「貧困や暴力・強制などの問題を解決もしくは大幅に緩和した場合、『自由意思』でセックスというサービスを行い、それをお金を払って購入することはあり得るのか」ということです。

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 現実に左翼的政治活動の中で取り組んだことが問題意識の発端になっています。

 ご注文などは以下のページです。

https://www.facebook.com/groups/1507363926255135/

 

 ところで、結婚してパートナーがいるのに、セックスレスになってしまうとか、セックスの周期があまりに違うという場合、結婚を解消せずに別のセックスパートナーをつくる、いわば広義のポリガミー (複婚)を志向する者は性的少数者ではないでしょうか。

 一夫一婦制と現時点では衝突するので、少なくとも婚姻関係を維持したまま、パートナーの合意を得られるという条件をつけるなら、性的少数者の権利として認められるべきことだろうと思います。

 上記の論文ではその点を全く書きませんでしたが、セックスワーク自体やセックスワークを利用してセックスをすることは、ある条件さえ整うなら、それも性的少数者の権利という文脈から考えることは可能ではないでしょうか(ひょっとして先行の言論や研究がすでにあるのかもしれませんが)。