電力会社関連企業の「意見メール出せ」指示のこと


 きょう、国による玄海原子力発電所の2・3号機再開にかかわって、「県民説明会」がある。その名も「県民説明番組」。

 ケーブルテレビやネット中継で流すからっていうことで、会場非公開なうえに、県民傍聴・マスコミ取材は禁止、そして85万佐賀県民の「代表」は7人のみ。セレモニーにしてもさ、もうちょっと何かこうアリバイ的な体裁を整えようよ、と思わず忠告したくなるほどのアレぶり。

 くわえて、電力会社の関連企業(福岡県)の方から文章をもらった。PDFをアップするのは困るということなので、概要のみ。その関連企業の文書は、担当部署から「各位」宛に出されているもの。某電力会社から「要請」が来ています、という理由で、社員のおまいらは、本日のネット中継を自宅からアクセスしろ、と「お願い」をしている。そのうえで、

発電再開容認の一国民の立場から真摯にかつ国民の共感を得ることができるよう、意見や質問をメールしてください

とある。「保安院の説明を聞き、これまで不安に感じていたのですが、十分に納得のできる安全策だと実感いたしました」などのメールがぜっさん激増中となる気がする。*1しかも福岡県民発の

 いや、それではまだ「真摯にかつ国民の共感を得ることができる」には難しい。「電力が不足すると聞き、このままでは当社の生産計画はメドがたたず、リストラされる危険があります。お話をうかがい、安全策はかなり考えられたものだと思いました」くらいは出るかも。

 ぼくも考えてみたので、関連企業のみなさん、テンプレでお使いください。


原子力発電所とは何の利害関係もない、中立的な県民の一人です。保安院や専門家のお話をお聞きし、福島の事故は津波によるものだと確信できるようになりました。地震対策は後でもいいと感じられるようになり、暑い夏にクーラーが使える日が楽しみです」


「反原発の立場です。今日は再開をやめろ、と言うつもりで視聴していたのですが、玄海原子力発電所以外でも、もし水素爆発の危険があれば建屋に穴をあけるドリルまで配備されているというお話を聞き、全国的に国の安全策の遺漏の無さに脱帽です。再開するしかないと感じました」


「ほとんどまったく原子力発電のことなど考えたこともない主婦ですが、原子力発電所っていうんですか?(よく知らなくてゴメンナサイ・・・) アレはこのまま再開していいのカナ・・・と思っていました。でも原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書における28の教訓は今後実施されていく見通しが聞かれ、とりあえず今のまま再開してもいいカナ・・・と感じました」

*1:運動側だって組織したりするだろ、という意見はあるだろうから、別にそれ自体はありえなくはない。ただし運動側が「○○に意見を集中しよう」とやる公開性と比べてほしい。