子どもが1人で遊びに行くようになったのは小4からだった

 前にこういう記事を書いた。


子どもを1人で遊ばせるのは何歳からか AERA11.2.21感想
http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20110220/1298227438


 この記事を書いたのは、今から6年前か……。
 自分の子ども時代と比較して、一体自分の子ども(娘)は、何歳から外で一人に遊びに行かせられるんだろうかと不安に感じたものである。
 治安上ひとりで遊びに行かせられんではないか、という思いに駆られていたが、小学校に上がってだんだんそういう不安が薄らいできた。
 だから、「もうひとりで遊びに行っていいよ」と小学校の2年生くらいから言い始めていた。
 しかし娘は一向に遊びに行かない。
 転校したこともあって、放課後、外でいっしょに遊ぶような友だちもおらず、学童保育もつまらないからと行かなくなってやめてしまい、結局家でテレビを見ているか、マンガや本を読んでいるという日々を過ごしていた。
 友だちと遊びにいく姿を見たこともなかった。*1


 こんな状況のまま大人になるのか、いやいやさすがにそれはあるまいと不安と葛藤と楽観を無根拠に織り交ぜていた。


 ところが小学4年生になった最近、友だちに誘われ、外に遊びに行くようになった。小学校区の外のショッピングモールに(校則違反だが)ゲームをしに行くようになった。
 うわーよかったねよかったねなどと喜ぶ親。
 しかも連日、遊びに誘われ、ついにげんなりした娘が「今日は遊ばない」と断りを入れて、相手が「遊ばないと月曜日ひどいよ」と「脅し」にかかる始末。「断ったらまずかったかなあ」と悶々とする姿も含めて、あー、やっとコミュニケーションの悩みが始まるんですなあとニコニコして見守っている。


 6年前の記事でこんなことをぼくは書いていた。

 ぼくは、最近数年後のことを想像して不思議に思ったことがある。それは「子どもを1人で遊ばせることができるのは一体いつからなのか」という問いである。「1人で遊ばせる」というのはたとえば近所の友だちの家に自由に行き来したりするような遊び方だ。


 ぼくの子どもの時代は、田舎だったこともあり、少なくとも保育園に行き始めた4歳のころは1人で遊んでいた。福岡市にいる年輩の人たちに聞いても、「3歳から」という人もいたし、まあ就学時にはだいたいもう1人で遊ばせていた。


 しかし、今子育てをしている同世代の諸先輩に聞いてみても、「小学校入学」という答は返ってこなかった。だいたい「小学校4年生くらい」というものだ。これは学童保育がおわる期間に一致する(現在福岡市では学年を拡大中)。

 小学4年生。
 そうそう、ドンピシャリだったんですよ。>6年前のぼく。



 まあ、ただの親バカ話なんだけど、現代日本で子育てと治安の問題をどう考えるかという一つの答えではある。
 もちろん、すでに地縁がしっかりしている家の子どもはもっと早くから自由闊達に遊びまわっていると思うんだけど、そうでない、ぼくの家のような子どもは、まず就学前は全くひとりで遊ばせる条件がない。地域に「お友だち」がいないからである。
 では小学校になってすぐにそういう条件ができるかというとそうでもない。
 学童保育で放課後を過ごしているので、しばらく「自由に遊びに行く」という条件がない。
 んで、もう学童保育に行かないよという年齢になってもすぐに遊びにいくわけではなく、転校という条件も重なって、そもそもどうやって放課後の友だちを作っていいのかわからないふうであった。
 しばらくなすがままにしておいたら、受動的なわが娘に、一緒に遊ばないかと声をかけるクラスメイトが登場してきた。小学2年生、3年生でそういう話があったのだが、娘は全て断ってきたようだった。
 そしてようやくそれに応じて遊び始めたのが今年、4年生になってからだった。


 だからどうした、というわけでもないが、それは一つの観察結果なのだった。

*1:親が勧めた少年団のようなものは、電車に乗ってひとりで行けるようになり、そこでは学校の友だちとは別の友だちを作るようになっていた。