「文化はぜいたく品」という気持ち

 日本コリア協会・福岡の「日本とコリア」240号(10月1日号)に、「これでいいのかニッポン!」というコーナーがあり、「『文化はぜいたく品』という気持ち」という一文を寄稿しました。まあ、エッセイです。

 

 コロナで文化芸術に支援することは「ぜいたく」かどうかを考えています。

 そのエッセイでは3つくらいの話題を扱っていますが、そのうちの一つは、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の「文化」って、政府の文化施策、例えば、文化芸術基本法の第2条に定める「文化芸術を想像し、享受することが人々の生まれながらの権利」という規定の「文化」と同じだろうかということについて書いています。

 

 このことはあまり深く考えたことはありませんでしたが、静岡文化芸術大学の中村美帆・准教授が「日本国憲法第25条『文化』概念の研究―文化権(cultural right)との関連性」という論文で考究していることを知りました。

 この論文は、「法学的なアプローチ」というより「憲法成立に至る思想的、歴史的背景」に力点をおいているものです。つまり、立法過程などを詳しく探求しています。その際に、25条の立役者であった法学者・鈴木義男(社会党衆院議員)がどのような考えをしていたかにぼくは関心を持ちました。

 結局、25条の「文化」と、文化施策でいうところの「文化」の概念は重なるというのが中村准教授の結論だったわけですが。

 ぜひお読みください。

 また、同誌には今後ちょくちょく書かせていただくと思います。