西日本新聞の「随筆喫茶」にエッセイが載りました

 2019年1月13日付の西日本新聞の「随筆喫茶」というコーナーに「幻の生物」と題してぼくのエッセイが載りました。

 カブトエビについて書いています。

 そこで紹介しなかったカブトエビ生存戦略の一つは、干上がってしまう水たまりこそがカブトエビの生息場所だということ。魚がいないからですね。

 ただ、例えば鳥の足に卵がくっついて生息域を広げたりするようなので、別にそういう場所を意識的に選んだりするわけではないんでしょう。川や湖にも卵は運ばれるけど結局魚に食べられてしまうってことではないんでしょうか。

 

 あと、カブトエビ外来種です。

 つれあいは「科学雑誌のキットとして流行ったことがあるから、その時に広がったのでは?」という推論を述べていましたが、キットが流行ったのは1970年代以降(下記のサイトでは1979年に学研の付録として登場)。

www.gakken.co.jp

 すでにアメリカブトエビが1916年、ヨーロッパカブトエビは1948年、アジアカブトエビは1966年に日本に「侵入」しているので、つれあいの推論は成り立ちません……と言いたいところですが、国立環境研究所のHPには次のような指摘があります。

また、飼育キットの販売や雑草防除のための導入が行われており、これにより国内で分布が拡大している可能性もある。

www.nies.go.jp

 最初の侵入は別のところだけど、キット販売で分布が拡大した可能性はありそうです。なお、国立環境研究所HPによれば「侵入生物」の定義は「人間によって自然分布域以外の地域に移動させられた生物を『外来生物 / 外来種』『侵入生物 / 侵入種』『移入生物 / 移入種』などといいます」 というものなので、鳥に卵が運ばれた場合は「侵入生物」とはされないようです。

 

 当時近所の駄菓子屋のガチャガチャ(カプセルトイ)でカブトエビの卵が売り出され、興奮して買いました。

 しかし、結局何も生まれず、ひどく失望した記憶があります。