新聞記事

異議は自分にとってどうしても必要なことだし、社会をよくすることでもある

つれあいがにわかに近所に売りに出された中古の家を見に行きたいと言い出してびっくりした。今ぼくらは賃貸のマンションに住んでいるのだが、仮に戸建てや分譲マンションを買うにしても、それは定年間際でゆっくりと研究してからくらいに思っていたので。 数…

活字で国会パブリックビューイング——コロナ問題での志位質問を読む

活字で「国会パブリックビューイング」をやるっていうのは大変なんでしょうかね。 この記事でも少し書きましたけど。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 映像は利点も多いけど、デメリットとしてはやっぱり「速い」ってこと。 考える時間もなく過ぎていってしま…

拙著『マンガの「超」リアリズム』が大東文化大学の一般入試に

拙著『マンガの「超」リアリズム』(花伝社)の『この世界の片隅に』評が大東文化大学の2019年度一般入試「国語」の問題文として出題されました。私の町内会系新書はこれまでも入試・模試などに使われたことがありましたが、マンガ評からは初めてです。 http…

PTA問題に市長はどこまで首をつっこめるか

兵庫の川西市長がPTA改革のための議論の検討会を設けるという記事を読んだ。 www.asahi.com 市長選の公約だというのでみてみると、はあはあなるほど、確かに「【2019年度に】保護者の負担軽減に向け『PTAのあり方検討会』を設置します」とあるね。 koshida.n…

共助が限界、そして負担の軽い自治会という問題

「しんぶん赤旗日曜版」(3月3日号)で東日本大震災の災害公営住宅におけるコミュニティ特集。 見開きの特集なのだが、随所に町内会(自治会)の負担問題と共助の限界が書かれている。 高齢者見守り 共助では限界 …しかし、見守りを強めようにも、活動の担い…

『NANA』は「多様性ある家族像を根底から否定する前近代的な家族観」か?

「しんぶん赤旗」で中川裕美が「少女マンガとジェンダー」という連載をしている。毎回楽しみにしている。 2月15日付は、第7回。ゼロ年代のマンガとして矢沢あい『NANA』が取り上げられている。 すでにツイッターで簡単な感想を書いた。 赤旗15日付、中川裕…

西日本新聞の「随筆喫茶」にエッセイが載りました

2019年1月13日付の西日本新聞の「随筆喫茶」というコーナーに「幻の生物」と題してぼくのエッセイが載りました。 カブトエビについて書いています。 そこで紹介しなかったカブトエビの生存戦略の一つは、干上がってしまう水たまりこそがカブトエビの生息場所…

アパートの家賃値上げに応じないと立ち退きか

アパートの家賃値上げに応じないと立ち退きか――こういうタイトルの電話相談と回答が今日(2018年10月10日)付の「しんぶん赤旗」に出ていた。 前、この話は聞いたことがある気がする。 だけど、忘れていた。 実は、今借りている家の老朽部分をまとめて改善を…

儀式について

卒業式とか入学式とかの意義を少しも疑ったことはなかったぼくは、高校時代に、ある高校教師(樋渡直哉)が書いた次の文章に触れて衝撃を受けた。 私はお祭りは好きだが式は嫌いだ。祭りが日常と非日常という絶対的矛盾の自己同一化現象であるとすれば、式は…

「給料前借り特区」は貧困ビジネスを生み出さないか

福岡市の高島市長のもとですすめられている「給料前借り特区」。まだ提案の段階らしいが。 毎日新聞の記事にこうある。 労働者には日ごとに働いた分の賃金額がスマホに通知され、店頭でスマホ決済することでその金額内で買い物などができ、店の口座には雇用…

岩竹美加子『PTAという国家装置』

こんなに傲慢な任意団体があるだろうか? 最近、PTA問題を特集した読売新聞の記事「PTAは必要ですか」(2017年6月1日付)を読んだ。 3人の識者がコメントしているが、日本PTA全国協議会・専務理事の高尾展明のそれをしみじみ読む。 交通事故や犯罪の発生な…

斉藤利彦『明仁天皇と平和主義』

天皇明仁の問題意識 天皇の生前退位が話題である。 天皇が訪問できなくても、「調子悪い」って言って寝ておけばいいんじゃないの? 無理していく必要あんの? と思っている人も多かろう。(まあ、それでもいいと言えばいいのであるが。) そのあたり、天皇明…

避難指示が出ているのに誰も逃げない問題

朝日新聞デジタルで町内会・自治会特集が始まっている。 町内会について意見を集約しており、すべて読める。 すべて読んだ(9月20日時点)。 いろんな意見があるわけだが、大雑把にいって、(1)町内会は必要であるという意見、(2)強制され、負担を背負…

マンガを読んで仕事知ろうランキング

昨年末、12月28日付の日経プラス1で「マンガを読んで仕事知ろう」特集。仕事がわかるマンガが専門家や書店員によって10冊選ばれ、ランク付されていた。勝手にコメントをつけてみる。 10位は武富健治『鈴木先生』(双葉社)。 教師の仕事の実態では…

転職しやすい社会

もうだいぶ前の記事なんだけど、メモ的に。朝日新聞デジタル:(雇用のあり方:3)大久保幸夫さん 自分生かす転職とは 40歳・60歳が転機 - ニュース リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫が朝日(2013年5月10日付)のインタビューで、述べ…

待機者にもなれません

ぼくの娘はなぜ「待機児童」になれなかったか きょう(2013年4月3日付)の朝日新聞に「待機児童 数え方変だよね」という記事があった。朝日新聞デジタル:(くらし時々?)待機児童、数え方変だよね 育休延長も認可外利用も含まず - ニュース 保育園の待機…

幕内秀夫『実践・50歳からの少食長寿法』

沖縄の長寿県転落についての2つの記事 沖縄県が長寿県から転落したことについての解説的記事が、今日(2013年3月20日付)の「朝日」「毎日」と同じタイミングで出た。 沖縄県が長寿県から転落したというのは、男性はすでに2000年には26位に転落してお…

安斎育郎インタビュー「食品汚染 どう向き合うか」

2011年9月9日付朝日新聞に安斎育郎インタビュー。「食品汚染 どう向き合うか」。非常によいインタビュー。 基本的には、安斎育郎『増補改訂版 家族で語る食卓の放射能汚染』 - 紙屋研究所 で紹介したとおりの話。気にする立場と気にしない立場をお互いに尊…

『この世界の片隅に』ドラマ化への不安

きょう(2011年8月3日)付の「しんぶん赤旗」にこうの史代のインタビューが載っていた。被災地で感じたことなどをしゃべっている。 最近、『この世界の片隅に』は新装され、書店に並んでいる。5日にテレビドラマとして日テレ系で放映される(すず役は北川…

世界の地震の震源分布と原発立地

資料としてメモっておくためのもの。 「しんぶん赤旗」日曜版2011年5月22日号に載っていた「世界の地震源分布と原発立地」の図。「米地質調査所と世界原発事業者協会の資料から作成」とある。赤いのが「大地震が起きた地点」、黄色いのが「原発立地」である…

かきふらい『けいおん!』

コミック版『けいおん!』の全4巻を読了する。 『けいおん!』を知らない人のためにいっておくと、高校に入学してバンドを始めた女子高生・平沢唯を中心とする同級生3人と、下級生1人のゆるい日常をつづった4コママンガである。 アニメは第2期の第20…

椎名軽穂『君に届け』

今日(2010年10月8日付)の西日本新聞の宮本大人連載「マンガは生きている」は椎名軽穂『君に届け』だった。 これね。これね。絶対俺の『君に届け』評への批判だから。もう100%、完全に、保証書添付で、何があっても間違いないから。だってさ、ほら、考…

北岡伸一「共同歴史研究 『侵略』認め、日中攻守逆転」

もう一つ面白かった論説は、18日付の北岡伸一・東大教授の「共同歴史研究 『侵略』認め、日中攻守逆転」だった。北岡は日中首脳会談で合意されてスタートした日中歴史共同研究の中心的人物である。 北岡の議論の中心点は、侵略とか南京虐殺とかを否定するん…

冨沢暉「普天間移設 軍事的意義の周知徹底」

4月になって仕事内容が大幅に変わった。 その結果、多くの新聞に目を通す機会が増えたのであるが、それだけ聞くと完全に窓際族である。実際にそうなのかどうなのかという詮索はしないでおいてほしいのだが、読売新聞を読む機会が格段に増えた。 この新聞の…