子育て

『国語 六 創造』『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』

前回、小6の娘の国語の教科書の話を記事にしたんだが、続きである。 高畑勲「『鳥獣戯画』を読む」の後には、「この絵、私はこう見る」という節がある。今娘はここをやっている。 「『鳥獣戯画』を読む」では、筆者は、さまざまな表現を用いて、私たちに『…

こうの史代『ギガタウン』

娘の保育園時代のクラスで毎年集まりを持っているのだが、小学校を卒業する今年で終わりとなる。 そこで記念として、カップに絵を描こうということになった。 最近は専用のマーカーがあって、電子レンジで温めるだけで絵が固定してしまう便利なものがある。 …

プールカードはなぜハンコでないとダメ?と質問したらクレーマーなのか

togetter.com このtogetterについて、話に入る前に言っておきたい。 このまとめのタイトルが「電話してみた」になっているけど(2019年6月29日17時時点)、まとめを読めばわかる通り、この保護者は学校に「電話して」などいない。「担任から電話がかかってき…

小学校の運動会は要らないなと思った理由

この記事を読んで思ったこと。 news.yahoo.co.jp 特にこの点。 ●運動会の目的と目標がきちんと明確になっていない。 関係者のあいだで(保護者だけでなく、おそらく教職員の間ですら)腹落ちしていない。 ●その目的、目標に照らして適切な手段となっているか…

永井義男『江戸の糞尿学』

なぜか連休中に、自分の娘の参加する少年団のキャンプで、江戸時代について話すことになった。 子どもたちが観た劇に江戸時代の屑屋が出てくるので、江戸時代がどんな時代で、どんなリサイクル社会だったかを子どもたちに伝えたいというのが団の意向なのであ…

PTA問題に市長はどこまで首をつっこめるか

兵庫の川西市長がPTA改革のための議論の検討会を設けるという記事を読んだ。 www.asahi.com 市長選の公約だというのでみてみると、はあはあなるほど、確かに「【2019年度に】保護者の負担軽減に向け『PTAのあり方検討会』を設置します」とあるね。 koshida.n…

「へえ〜」と言うだけかな

5歳男児『女の子が鉄棒で回った時パンツが見えてエッチだった(笑)』この発言に親としては何と声をかけるべきなのか?→様々な意見が集まる - Togetter 一応頑張って、「そういう言い方するのは〇〇ちゃん本人は嫌だよ、見えちゃったのは仕方ないけど、そうい…

長谷川摂子『子どもたちと絵本』・せなけいこ『ねないこだれだ』

「マンガをどう語りたいか」という問題についていえば、ぼくはまず文体や語り口へのあこがれから入っている。 よくこのブログで書いているように「関川夏央のように書きてえ」というのが出発点なんだけど、子どもを育てて絵本をいっしょに読むうちに、長谷川…

娘と何歳まで一緒に風呂に入るか

親子混浴はいつまで許されるのか。 異性の親子、特に父親と娘という関係では非常にデリケートな問題だ。 すでにぼくの家ではこのテーマは過去の問題となっている。 なっているので、書く。 アメリカなどでは混浴自体が問題視され、別文化であるアジア移民系…

PTA会長の「偉さ」今昔

桂正和『電影少女』を読んでいたら、PTA会長に見咎められて、退学処分になるというエピソードが出てきた。校長は寛容にしたのだが、PTA会長の息子を殴ったために、会長が許さなかったというのである。 *1 どんだけ偉いんだ、PTA会長……。*2 『うる星やつら』…

子どもが1人で遊びに行くようになったのは小4からだった

前にこういう記事を書いた。 子どもを1人で遊ばせるのは何歳からか AERA11.2.21感想 http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20110220/1298227438 この記事を書いたのは、今から6年前か……。 自分の子ども時代と比較して、一体自分の子ども(娘)は、何歳か…

ディズニーランドか保育園の行事か

これなんですけどね。 東京ディズニーランドに行くという理由で保育園の行事を休ませるか、激しく迷い中 - Bygones ! http://alstroemeria.hatenadiary.jp/entry/2017/09/26/061553 子どもの意見聞けよ、というのが最適解とは思うけど、もしもまじめな保育園…

介護と愛情――ACジャパン広告学生賞の作品を見て

「今日、母は私の名前も言えなかった。」――で始まる、このACジャパン広告学生賞の作品が日経の夕刊に出ていたのを眺めていて、なんだかホロリときてしまって、不覚にも涙が出た。 https://www.ad-c.or.jp/campaign/cm/pdf/np-semi-grandprix.pdf 「これが涙…

小林薫『娘が不登校になりました。 「うちの子は関係ない」と思ってた』

時々学校に行きたがらないぼくの娘 うちの小4の娘は基本的に元気に学校へ行っている。 「基本的に」というのは、時々行きたがらなかったり(いわゆる「登校しぶり」)、ほぼ毎日のように微妙な遅刻をしたりするからだ(1時限目が始まる前の時間に登校する…

岩竹美加子『PTAという国家装置』

こんなに傲慢な任意団体があるだろうか? 最近、PTA問題を特集した読売新聞の記事「PTAは必要ですか」(2017年6月1日付)を読んだ。 3人の識者がコメントしているが、日本PTA全国協議会・専務理事の高尾展明のそれをしみじみ読む。 交通事故や犯罪の発生な…

PTAを退会した話と音楽鑑賞会で100円多く払った話

退会しても別に不利益はこうむりませんよ PTAを退会した。 うちの小学校でただ一人(厳密にいうと、ただ1家庭)のようである。 公式には(つまりPTA相手には)何の理由も告げていない。 きっかけとしては、PTAが任意加入であることをきちんとしてほしい、と…

勉強は役に立つか

「勉強って、やらんといかんと?」と小3の娘は今日も涙をボロボロこぼしながら算数の宿題をやっていた。「きもちわるい〜」と叫び、途中で放り出して彼女は寝た。かわいそう。 下記のエントリが少し話題になっていた。勉強は役に立たない 小学校・中学校・…

PTA問題は「必要か不要か」で論じるべきではない

任意団体であれば、何をやっていても問題ない PTAをめぐる記事とコメントを読んで、問題の整理のために書く。#PTAやめたの私だ 「入会しません」 ひとりの主婦の静かなる抵抗 PTA批判について思うこと - 感想文 PTA批判について思うこと その2 - 感想…

大塚玲子『PTAがやっぱりコワい人のための本』

もしPTAをしなくていい権利をお金で買えたら - Togetterまとめ 「PTAは任意団体なんだから退会すればいいのに…」とならずに、こういう問いが成り立ってしまうのは、このまとめの中の終わりの方のツイートにあるように、同調圧力がこわいからという1点に…

「格差は教育費無料でも広がる」のか

このエントリを読んで思い出したこと。格差は教育費無料でも広がる ぼくは無料塾で講師のようなことをやってきたが、この春、ずっと教えてきた中学生のRくんが志望する学校に合格できた。万歳! Rくんは前のエントリでも書いたけど、「偶数と偶数の和はなぜ…

偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ

前回「偶数と偶数の和は偶数である」にちなんだ問題を、うまく教えられないという記事を書いたところ、ブログのコメント欄、ブックマークコメント、ツイッター、トラックバック、転載ブログ(ブロゴスなど)のコメント欄でたくさんの反響をいただいた。偶数…

偶数と偶数の和は偶数であることの説明

ああ、だれか教えてほしい。コメント欄かツイッターで返信を。 いまぼくは、無料塾で中学2年の数学を教えている。 無料塾というのは、カネをとらずに小中高の生徒が集まり(うちは小中しかいないが)、講師もボランティアで教えるというもの。教育を貧困克…

たけやきみこ・大原由軌子『一生役立つ「お金のしつけ」』

この記事を読んでいて、お小遣いのお駄賃制が出てきた。 強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話 / 寳槻 泰伸 | STORYS.JP すがすがしいほどのお駄賃制である。 お駄賃制(報酬制)への批判は、「発言小町」などでは強い。 …

学校へ行きたくないという娘の理由

大西巨人『神聖喜劇』の小説版につきあっている。 時間はかかるが、正面からやってみたい。 現在文庫版の3巻に入った。 さて、4月に小学校に入学した娘のこと。 昨日まで、学校での給食の様子や字の書き順の話などを楽しげに報告してきたので昨夜娘が寝静…

『ドラえもん』5巻 「ぞうとおじさん」を語る

娘が保育園の卒園式で合唱構成「ぞう列車がやってきた」のうちの数曲を唄った。そのあと、保育園の先生たちから「ぞう列車がやってきた」を唄わないかと誘われた。園とは別に市民団体(うたごえ運動の団体)で唄っているやつである。卒園したが4月からその…

娘が絵本を読まなくなってしまった

5歳の娘は今年、年長である。絵本を読まなくなってしまった。 どうなっているかというと、マンガばかり読んでいるのである。児童マンガとしての『よつばと!』 - 紙屋研究所 実験的に与えたのだが、さすがにこれはどうなんだという不安の気持ちで見ている。…

待機者にもなれません

ぼくの娘はなぜ「待機児童」になれなかったか きょう(2013年4月3日付)の朝日新聞に「待機児童 数え方変だよね」という記事があった。朝日新聞デジタル:(くらし時々?)待機児童、数え方変だよね 育休延長も認可外利用も含まず - ニュース 保育園の待機…

神田英雄「幼児期の文字と数」

5歳の娘を通わせている保育園では、英語とかはもちろん、「あいうえお」などは教えていない。しかし、生活発表会でしりとりをしたりする。このあたりのところをどう考えたらいいのか、よくわからなかった。 この保育園に来ている父母のかなりの部分は、早期…

児童マンガとしての『よつばと!』

うちの娘は5歳になる。この年齢は、なんと、あずまきよひこ『よつばと!』の主人公・小岩井よつばと同じだ。よつばは、ひらがなとカタカナが読めるようであるが、うちの娘もどうにか仮名は読めるようになった。だから、ふりがながふってある『よつばと!』…

「おおかみこどもの雨と雪」

帰省中に娘が寝た後、つれあいといっしょに映画「おおかみこどもの雨と雪」を観に行った。人間であり狼である狼男と結婚した、大学生・花(ハナ)が狼男の子どもである雪(ユキ)と雨(アメ)を生み育てる物語である。 以下はネタバレをする。結末がわかって…