マンガ
「ビッグコミックスペリオール」に連載されていたアキヤマヒデキ「ボクらはみんな生きてゆく!」が今号(2023年6月23日号)で最終話になってしまった。悲しい。 同作は都会から田舎に戻ってきた作者がまず狩猟をはじめ自然を相手にする様々な「ビジネス」で…
「スペリオール」6月23日号掲載の木村きこり「その恋は、嘘。」を興味深く読む。 ビッグコミックスペリオール 2023年13号(2023年6月9日発売) [雑誌] 作者:ビッグコミックスペリオール編集部,押見修造,久部緑郎,河合単,浅野いにお,乃木坂太郎,金城宗幸,平本…
「大将」「キザ」「教授」「ドク」というあだ名の、それぞれに背景のある4人の「じじい」。人里離れた山奥の一角の土地の、独立した家屋とキャンピングカーにポツリポツリと集まってきて暮らしている。4人が顔を全て揃わせるのは週2回程度。それぞれ独立…
30歳。カフェでバイトをしている独身女性・「パコ」が主人公である。 パコは妻子持ちのおっさんと不倫をしている。そして捨てられる。 寂しさのあまり、行きつけのコンビニでバイトしている10近く下の男にナンパされ、セックスをし、付き合うようになる。 パ…
休みで、いろんな本を読んでいるが、読み返すものもある。 不破哲三『スターリン秘史』もその一つである。 スターリン秘史―巨悪の成立と展開〈5〉大戦下の覇権主義(下) 作者:不破 哲三 新日本出版社 Amazon 不破はこの著作の中で、スターリンの問題点の根源…
村西てんが『教え子がAV女優、監督はボク。』を読んでいたら、冒頭にバフチンが出てきた。 村西てんが『教え子がAV女優、監督はボク。』1、小学館、p.11 この作品は、タイトルの「教え子がAV女優、監督はボク」という最も反倫理的と思われる状況に向かって…
御徒町鳩『男友達が激甘カレシになりました』がいつまでたっても電子にならないもんだから、とうとう書籍で買っちゃったぜ。 男友達が激甘カレシになりました (Only Lips comicsめちゃコミックオリジナル) 作者:御徒町鳩 大誠社 Amazon 内容はタイトルが語っ…
映画「BLUE GIANT」について。 www.youtube.com 単行本が出るのがもっとも待ち遠しい作品の一つである。 仙台の男子高校生・宮本大が独学でジャズ——サックスを始めて、上京し、仲間と組み、やがて世界に向かって挑戦していく姿を描いた物語である。 この作品…
NHK番組「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を視る。 togetter.com ——殺陣=段取りじゃなくて、殺し合いをやってほしい。 ——意外性を見せてほしい。 …という庵野秀明の注文。まあ、そういう注文もわかる。 わかるんだ…
「今こういうものが読みたい」と体が欲していたのだろう。染み透るように読めた。もちろん、発売当初に買って読み、楽しんで読んだのだが、この時期に再読して面白さが格別だった。 近藤ようこ『高丘親王航海記』は、澁澤龍彦の同名小説を原作にしたマンガで…
娘が中学校を卒業し、新しい進路に向かう。 中1が終わったときに次のような記事を書いたが、そこからここまでこられたこと自体が奇跡のようだ。2022年の1年間で自殺をした小中高生は512人と過去最悪になったという。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com それに…
まだ年賀状をやめていないのだが、おそらく受け取る方はすでに「年賀状仕舞い」をしているだろう人が多く、こちらが出した後に、ポツンと返ってくることがある。そういう場合、今年出した年賀状への“反応”などが書いてあって、それはそれで楽しみではある(…
村上春樹『女のいない男たち』も結局メモをアップしただけになったんだけど、マンガの感想も何かまとまらない。まとまらないうちに、熱量が下がっていって、アップする機会を失ってしまう。そういうのってもったいないと思う。 断片でもいいから上げておこう…
ある市議の応援演説をした公民館で、帰り際に貸出図書をパラパラと眺めていた。その時に見つけた本である。読みふけってしまった。 面白そうだったので借りたかったのだが、その公民館に来られるのがいつになるかわからず、購入した次第。 マンガでやさしく…
映画「かがみの孤城」を観て、そのあとに同名マンガを読む。原作小説はまだ読んでいない。(以下、ちょいネタバレあります) かがみの孤城 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:辻村深月,武富智 集英社 Amazon マンガでは、集まった7人の事情、初めは…
『このマンガがすごい! 2023』(宝島社)で今年も「総勢45名 各界のマンガ好きが選ぶ このマンガがすごい! オンナ編」に回答させていただきました。 このマンガがすごい! 2023 宝島社 Amazon 去年はぼくが選んだ5作品は1つとして20位にランクインしませ…
リモート読書会でエーリッヒ・フロム『愛するということ』を読む。 愛するということ 作者:エーリッヒ・フロム 紀伊國屋書店 Amazon 知らない人は、さてこれは一体どういう本なのだ、と思うかもしれない。 何を求める人が読む本で、それは端的にどういう内容…
知り合いに、絵の個展に誘われた。 本当にその日は用事があったので行けなかったが、後日一人で見にいった。 個展なぞというものに行ったことはない。だから通常では「行きません」と言うか、いろいろ口実をつけて行かないはずのものである。 なぜ行ったのか…
『現代思想』2022年12月号の「特集=就職氷河期世代/ロスジェネの現在」で「変容期の新たな生き方を模索しようとした実験性――『ロスジェネ』マンガのスケッチ」を寄稿しました。 www.seidosha.co.jp 現代思想 2022年12月号 特集=就職氷河期世代/ロスジェ…
いやあ、どうなっちゃうんだろうねと思いながら読み始めた13巻だった。 ブルーピリオド(13) (アフタヌーンコミックス) 作者:山口つばさ 講談社 Amazon そんでフジキリオにアジられて、まんまと買っちゃっただろ、『美術の物語』…。9350円もしたわ。 美術…
川でウナギをとる話が興味深かった。 ウナギは絶滅危惧種ではないのか、という問題があるが、その問題はちょっとおいておく。ぼくが興味を持ったのは、筆者(アキヤマヒデキ)の知識と実践力についてなのだ。 『ボクらはみんな生きてゆく!』は都会から田舎…
サブタイトルにあるように「ヤングケアラーの再生日記」である。 私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記 (文春e-book) 作者:水谷 緑 文藝春秋 Amazon ヤングケアラーをご存じない人はもう少ないとは思うが一応定義しておけば、 介護や病…
『ひかるイン・ザ・ライト!』が終わってしまった! なんということだろう。 いやー、すばらしいマンガだった。手放しで絶賛したい。 ひかるイン・ザ・ライト! : 4 (アクションコミックス) 作者:松田舞 双葉社 Amazon マンガとして何が素晴らしかったのか…
短編集である。 ようきなやつら (webアクションコミックス) 作者:岡田索雲 双葉社 Amazon この中の『追燈』は、関東大震災における朝鮮人虐殺を描いた短編だ。 「あとがき」で岡田自身が 関東大震災の発生から今年で99年になりますが、その際、起きた朝鮮人…
中学生がオーディションを受けアイドルをめざす物語、松田舞『ひかるイン・ザ・ライト!』は、ぼくの最近のお気に入りである。 なんども見返す。 それは好きなコマが多いからである。 主人公と同じ地元で年上の友人であり、かつアイドル経験者でもある西川蘭…
ネットで話題になっている、いしいひさいち『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』を読む。朝日新聞を購読していたときにごく一部を読んだ記憶がある。 高校生だった吉川ロカがポルトガルの国民歌謡「ファド」の歌い手として、世界に発見されていくまでを、いし…
最近でた『資本論』入門書シリーズの2つ目。 斎藤幸平+NHK「100分de名著」制作班監修『マンガでわかる! 100分de名著 マルクス「資本論」に脱成長のヒントを学ぶ』(宝島社)である。 マンガは前山三都里。「編集協力」は山神次郎、「取材・文」は乙野隆彦…
ある出版社の出している『資本論』を手に入れようと大手書店の経済書のコーナーに立ち入ったら、しばらく見ないうちにずいぶんいろんな『資本論』入門書が出ているじゃないか…!? というわけでその中から3冊ほど感想を書いてみたい。 最初は的場昭弘監修『マ…
コロナ禍での持続化給付金などの対象から性風俗事業者を排除したのは、憲法違反だとして、デリヘルの事業者(会社)が国などに支払いを求めた裁判の件。東京地裁は合憲判決を出した。 www.tokyo-np.co.jp 訴状・書面、そして判決文は、以下にある。 \東京地…
ネットで川崎昌平『売れないマンガ家の貧しくない生活』を読んでいるつれあいは、マンガ家の妻の視点でマンガ家自身がマンガ家のことを描くというこの作品の奇妙さを口にしていた。 売れないマンガ家の貧しくない生活 (コミックエッセイ) 作者:川崎 昌平 KAD…