2022-01-01から1年間の記事一覧
左翼運動、というか理想を掲げる社会運動にハマる理由の一つは、「たまり場」じゃないか、と1980年代に青春を過ごしたオールド左翼のぼくとしては力説したいところである(以下、年寄りの昔話っぽくなるのだが、そこはご勘弁願いたい)。 大学のサークルボッ…
中北浩爾『日本共産党 「革命」を夢見た100年』(中公新書)を読了。細かい評価は別にして「本としてどういう印象を持ったか」をざっくり書いておきたい。 日本共産党-「革命」を夢見た100年 (中公新書 2695) 作者:中北 浩爾 中央公論新社 Amazon 組織構造や…
映画「わが青春つきるとも 伊藤千代子の生涯」の神戸でのトークイベントに出演させていただきました。(伊藤千代子は戦前の共産党員で、天皇制権力の弾圧により若くして獄中で亡くなりました。その映画化です) 声をかけてくださった民青同盟兵庫県委員会の…
教育科学研究会編集の雑誌「教育」(旬報社)2022年6月号に「PTAはどう変わるべきか」というタイトルで執筆しました。 この文章は「保護者の願い、学校の現在」という特集の中の一文です。 編集後記に次のようにあります。 保護者が学校という場で他の保護者…
5月16日付の民主青年新聞で「水木しげる生誕100周年」特集があり水木しげるのマンガについてコメントしています。 水木の3冊のマンガもお勧めしました。 リアルということについて 当の水木自身は、「戦争コミック」と対比して「戦争想像コミック」というも…
伊藤野枝のふるさとは福岡市西区今宿である。 ぼくも福岡市在住者として近くを通ることがある。 その今宿の海岸に「カエルの大岩」があるという西日本新聞のこの記事。 www.nishinippon.co.jp 有料記事なのでネットからは読めないと思うが…。 旧国道202号を…
リモート読書会で、上間陽子『海をあげる』を読む。 海をあげる (単行本) 作者:上間 陽子 筑摩書房 Amazon エッセイ集である。 抗議集会が終わったころ、指導教員のひとりだった大学教員に、「すごいね、沖縄。抗議集会に行けばよかった」と話しかけられた。…
星から星を調査目的で旅をする(星旅人〔ほしたびびと〕の)主人公(?)の物語である。 星旅少年1 作者:坂月さかな パイ インターナショナル Amazon 主人公はPGT(プラネタリウム・ゴースト・トラベル)という旅行会社の社員で、同社の文化保存局の一員だ。…
今年は全国水平社創立100周年である。 人権連(全国地域人権運動総連合)は機関紙誌でくり返しこの特集を組んでいる。人権連は全解連(全国部落解放運動連合会)が発展的改組したものだ。 2022年4月15日の同団体機関紙「地域と人権」では、100周年記念事業の…
同人誌「星灯」No.9(2022年4月号)で「ドリン・ドリン!」という小説を書きました。 えっ、紙屋が小説とかwww って呵々大笑の貴兄。 そうじゃないんです。いや、小説なんですけど…。 左翼組織の今後のあり方、もっと言えば「ビジネスモデル」「マネタイズ…
この記事。 news.yahoo.co.jp ついている「はてブ」のブコメが、まあなんと言おうか…。 b.hatena.ne.jp なーんて冷笑している場合じゃない。こういうブコメがつくのも、共産党が国民に広く自分の立場をこれまで知らせてこなかったという「問題」でもあるのだ…
『資本論』を若い人たちと読むことを続けている。 先日も合宿で読んだ。再び、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアごとに止まってその場で30分〜1時間読み合わせするという狂気のやり方。 いよいよ次は第1部8章である。 その前は、もちろん第7章…
最近よく読むマンガは、磯谷友紀『ながたんと青と いちかの料理帖』であろうか。 ながたんと青と-いちかの料理帖-(1) (Kissコミックス) 作者:磯谷友紀 講談社 Amazon 戦争から6年たった、日本の「独立」のころの京都の老舗料亭の話……と書くだけで…
前にも書いたが、英語の勉強のために、手帳(手書き)にスケジュールを書くとき、一部の予定を英語で記すようにしている。 さて、予定の一つとして「宣伝」と書きたいことがある。 「宣伝」というのは左翼政党や労組などの独特の用語で、駅頭・街頭でマイク…
『オーイ! とんぼ』37巻は、プロゴルファーである有働二子女(にこめ)が停滞し鳴かず飛ばずの現状を打破し、殻を破るために、これまでの自分のスタイルを崩して…というかある意味破壊・否定し、新しいスタイルを確立しようと悪戦苦闘する巻である。 オーイ…
中2の娘の定期テストの結果を見る。 英語の最下位クラス(0〜29点/100点満点)にかなりの人数がたまっている。他の教科と比べても段違いだ。1学期・2学期・3学期とこの傾向は変わらない。 グラフにしてみた。 この学校だけ、英語の授業が悪いのだろうか…
福岡市議会は3月3日に全会一致でロシアのウクライナ侵攻を非難する決議をあげた。 ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議 ロシアは去る2月24日、外交手段による問題解決を模索した国際社会の努力を踏みにじってウクライナへの軍事侵攻を開始し、主要都市…
英語を勉強している…というほどではないが、毎日英語の簡単な記事を読んでいる。読んでいるという程度で、話したり聞き取ったり書いたりする努力は、ほとんどしない。 なので、今のところ、ある単語をどう発音するか・されているか、はあまり気にしていない…
もうこの文章を書いたのも10年近く前か、と思いながら読み返す。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com そこで「疎外」について書いている。 自分が書いたもの・描いたものが、自分から離れ、自分に対してよそよそしくなり、やがて自分に対立するようになる。 『ど…
新日本出版社の『新版 資本論』を読んでいてわからない箇所が出てくる。 新版 資本論 第2分冊 作者:カール・マルクス 新日本出版社 Amazon 例えば、第2篇第4章「貨幣の資本への転化」の次の部分である。 買うために売ることの反復または更新は、この過程そ…
森鷗外は高校の教科書にあった『舞姫』のイメージが強かった。 ゆえにぼくの中では森鷗外といえば「留学先で懇ろになった女性を捨てたひどい男」みたいな雑なイメージしかなかった。 ところが、今回リモート読書会で森鴎外を扱うことになって新潮文庫の短編…
高島宗一郎・福岡市長が成人式でよく成人に対して説教することの一つに次のようなものがある。 ふたつ目。それは「幸せだから笑うんじゃない、笑うから幸せになる」——これは私の恩師からいただいた大切な言葉です。 コロナのせいにせず、親のせいにせず、友…
ずいぶん前に、ある紙媒体から依頼されたエッセイのうち、ボツにしたものを、最近の体験も交えて手を入れなおした。それをアップしてみる。 --------------- 選挙に出るという稀有な体験をした際の話である。 人前で演説をする。ぼくのファンがいるときは、…
「マンガ論争 24」で荻野幸太郎さんと対談した。 manronweb.com 左翼が表現の自由と表現規制についてどうしているのか、どうすべきなのかがテーマだったが、もっと言えば、表現の自由の問題と、ジェンダー平等の課題をどう両立させるのか、という問題だと感…
堀内京子『PTA モヤモヤの正体』(筑摩選書)の書評が「しんぶん赤旗」日曜版2022年1月16日号に載った。 PTA モヤモヤの正体 ――役員決めから会費、「親も知らない問題」まで (筑摩選書) 作者:堀内 京子 筑摩書房 Amazon PTAにかかわりながら日常に感じるモヤ…
新年は「新資本主義」を掲げるの企業新聞広告のオンパレードだった。 年頭の岸田首相のメッセージを受けて、投資家もどきみたいな人たちが集まっている「市況かぶ全力2階建」は大騒ぎである。 kabumatome.doorblog.jp 「社会主義」だって? 岸田が? 岸田の…