2016-01-01から1年間の記事一覧

保育の質をどこで線引きする気なのか

これなんだけどね。今の保育園の問題は、「日本の競争力強化の阻害要因」の問題であって「弱者救済の福祉の不備」の問題ではない。 - 蕎麦屋 このブロガー(「蕎麦屋」)の主張は、どこからか原資を調達してきて認可保育園でなくて、保育所をつくれというこ…

石塚真一『BLUE GIANT』7巻

石塚真一『BLUE GIANT』7巻には日本のジャズ演奏場所として最高位とされる店「So Blue(ソーブルー)」の事業部の人間、平(たいら)が出てくる。 『BLUE GIANT』は高校からサックスをはじめた宮本大が主人公で、現在東京に出て、ジャズのサックス奏者にな…

バトラー後藤裕子『英語学習は早いほど良いのか』

英語が必修になったのは、いつごろからだろうか。 1950年代くらいだろうか。 さにあらず。 2002年からだという。 というのは少し不正確で、必修になったのは「外国語」である。そして学習指導要領では外国語というものは「原則として英語」として定め、英語…

町内会の会長が引き継がれた

実践倫理宏正会の会報『倫風』には「世相診断 社会を見る眼」というコーナーがあり、2016年4月号で、ぼくは「町内会のジレンマ──“入って安心”“役員・付き合いが面倒”の狭間で」と題する談話を載せた。 実践倫理宏正会は「朝起会」で有名な団体である。 『倫…

芥文絵『セキララにキス』

芥文絵の少女マンガ『セキララにキス』のテーマって松田道雄『恋愛なんかやめておけ』に通じるというか、やがてこの問題につきあたざるをえないよね。 つまり、“若いうちっていうのは仕事とか才能とか、恋愛なんかよりももっと大事なことがあるんだから、恋…

古屋兎丸『インノサン少年十字軍』

「ユリイカ 詩と批評」2016年3月号の古屋兎丸特集で、「『政治的なもの』を浮かび上がらせる 『帝一の國』をめぐる小考」という一文を寄稿させていただいた。古屋の『帝一の國』では、虚構と現実がどうせめぎあい、どのようにして「政治的なもの」が浮かび…

舘野仁美『エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ』

ぼくの仕事は裏方的なものだ。 仕事とは別に、左翼の運動についてもぼくのやっていることは裏方である。 芝居でいうと、議員とか候補者は俳優にあたる。 でも芝居には、照明とか音響、舞台美術、メーキャップの仕事も必要だし、そもそも脚本とか監督という仕…

クリスタルな洋介『お酒は夫婦になってから』

室井大資『秋津』には「親の酔態はツラかろう」というようなセリフが出てくる。思春期前の子どもが見る「親のだらしなく酔った姿」というものは親の威厳を崩壊させるから。まあ、最近の「トモダチ親子」にはそんなものは関係ないのかもしれないが。 女性の酔…

中島佑『ODD FUTURE』

第68回ちばてつや賞大賞になった中島佑『ODD FUTURE(オッドフューチャー)』を読んだ。 http://www.moae.jp/comic/chibasho_oddfuture サイトに紹介のあるとおり、 かつてお笑い芸人を目指していた清水は、同期の芸人に借金をして姿を消した。金の使い道は…

小紫雅史『さっと帰って仕事もできる! 残業ゼロの公務員はここが違う!』

ナイツのネタ、「日本のアニメ界の巨匠を一人、見つけてしまったんですよ」「それ、誰ですか」「宮崎駿って知ってますか」「今さらかよお前」みたいなことを書くが、労働基準法で1日の労働時間が8時間までに制限されていることを、君たちは知っているか? …