2014-01-01から1年間の記事一覧

文書にして出すということ

娘が保育園を卒園した。 0歳児から6年間預けた。子どもは一人しかいないので、おそらくこれで保育園とはおさらばだろう。 保護者会の会長を最後の1年間つとめた。 園の存続が大問題になり、ぼくとしてはこれに明け暮れた1年だった。いったい保育園が消え…

山田ズーニー『働くためのコミュニケーション力』

理想的な風景としての「擦り合わせ」 保育園のパパ友は、よく転職している。 仕事が長続きしないというのではなく、ヘッドハンティングに近い状態で「辣腕営業」としてときどき会社を移っているのである。 そのとき、転職先と労働条件をかなりすりあわせてい…

『クラルテ』第5号、『人間と教育』81号

日本民主主義文学会の支部同人誌である『クラルテ』第5号をご恵投いただいた。感謝したい。 さて、ページを繰っていくと、谷本諭「『連帯』の希求と『パワー崇拝』の危うさ 『ONE PIECE』の魅力と人気を考える(上)」とあるではないか。 冒頭の章が「国民…

阿部彩『子どもの貧困II 解決策を考える』

この本は次のような動機で書かれている。 筆者には苦い経験がある。財務省のおエラい方々を前に、「子どもの貧困」についての講演をさせていただく機会があった。私は切々と、いかに子どもの貧困が広がっており、いかに貧困の子どもがたいへんな状況にあるか…

「マンガヒーロー&ヒロインRANKING」回答

「ダ・ヴィンチ」2014年3月号で「マンガヒーロー&ヒロインRANKING」という特集があり、アンケートで回答させていただいた。 雑誌では回答として採用されたものもあるが、採用されていないものが大半なので、採用されていない分だけを公開する。なお数…

思い出の本

ふとした折りに浮かぶ、思い出の中の本の名前…… 小林栄三『コワレンコ「日本共産党(概史)」批判 歴史的な事実の抹殺と歪曲』。 いやー。これだね。 まず「コワレンコ」。 イワン・コワレンコ。 イワン・イワノビッチ・コワレンコ。 ソ連共産党国際部日本課…

『橋爪大三郎のマルクス講義』

にゃかにゃか気持ち悪い本であった。 微妙に合っているけど、微妙に(または大幅に)間違っているから。おまけにインタビュアーも、 はい。ちょっとかじり読みしたことを、知ったふうに口走ってしまいました。(本書p.150) って何だよ。 たとえば橋爪のマル…

所十三・真鍋真『COMIC恐竜物語』

年末に「ウォーキング・ウィズ・ダイナソー」を親子で観に行った。まったく偶然に新聞の広告が目についたためである。「CGでリアルっぽく恐竜が動くのはいいな」と思ったからである。自然科学番組を見せるような気持ちで。BBCアースフィルムズ(『ライフ』…

李昆武、フィリップ・オティエ『チャイニーズ・ライフ』

漫棚通信ブログ版で紹介されていたので、興味をもった。 http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-85e4.html 「ごくふつう」の中国人の個人史、それを通して見える中国の戦後史である。 いまぼくが書いた「ごくふつうの」にミソがある。 …

マンガを読んで仕事知ろうランキング

昨年末、12月28日付の日経プラス1で「マンガを読んで仕事知ろう」特集。仕事がわかるマンガが専門家や書店員によって10冊選ばれ、ランク付されていた。勝手にコメントをつけてみる。 10位は武富健治『鈴木先生』(双葉社)。 教師の仕事の実態では…

人工知能学会の表紙のこと(補足)

人工知能学会の表紙について、少しだけ補足します。 基本的には前のエントリーで書いていますので、この問題については新しい論点というほどのものはありません。 また、コメント欄で議論になっていることについては、コメント欄で書いています。 なので、以…